「ベジータがいなければ、地球は平和だった──」
そう言われたらあなたはどう思うだろうか?
今でこそ『ドラゴンボール』を代表する人気キャラクターであり、悟空の最大のライバルとして愛されるベジータ。しかし冷静に物語を振り返ると、地球で起きたほぼすべての重大な危機に、彼の影がちらついていることに気づく。
これは偶然なのか、それとも必然なのか。
今回は「ベジータがいなければ地球は平和だった説」を本気で検証する。ファンには怒られるかもしれないが、最後まで読んでほしい。
結論:ベジータがいなければ、地球は”かなり平和だった可能性が高い”
いきなり断言してしまおう。
ドラゴンボールZの物語を時系列で追うと、地球を最大の危機に陥れたイベントのほとんどに、ベジータというピースが欠かせない要因として機能している。
「でもベジータがいなければ悟空たちは勝てなかった」という反論はある。それは後で検討する。まずは”戦犯としてのベジータ”を徹底的に洗い出してみよう。
① そもそもサイヤ人の地球侵攻は、ベジータが関わっていた
ドラゴンボールZの幕開け、ラディッツが地球にやってきたことは確かにベジータとは直接関係ない。しかし問題はその後だ。
悟空がラディッツを倒したことで、その戦闘力はスカウターを通じてベジータとナッパに伝わった。そして2人は「おもしろい星がある」と判断し、自らの意思で地球に向かった。
ここが重要なポイントだ。
もしベジータが地球に興味を持たなければ、ナッパが動くことはなかった。ラディッツ一人の侵攻で終わっていた可能性が高く、悟空がそれを退けた時点で地球への脅威は消えていたかもしれない。ベジータの「征服欲」が地球を戦場に変えた最初のトリガーだった。
② フリーザ編の発端はベジータのドラゴンボール情報
ナメック星編、いわゆるフリーザ編はドラゴンボールZの中でも最大のクライマックスのひとつだ。しかし、なぜ地球の戦士たちがナメック星まで赴くことになったのか、その経緯を思い出してほしい。
地球のドラゴンボールが使えなくなった状況で、「ナメック星にもドラゴンボールがある」という情報を持ち込んだのは誰だったか。
そう、ベジータだ。
ベジータ自身もドラゴンボールを狙っていたため、その情報は彼の口から出てきた。もちろんフリーザはもともとナメック星を狙っていたが、地球の戦士たちが宇宙規模の戦いに引きずり込まれる直接のきっかけは、ベジータの情報提供にあるといっても過言ではない。
結果として、フリーザという宇宙最強の帝王と戦う羽目になり、多くの仲間が命を落とした。ピッコロ、クリリン、そして一度は悟空まで死線をさまよった。地球の戦士たちが宇宙の覇者と衝突したのは、ベジータという媒介があってこそだった。
③ 人造人間・セル編でも”戦犯”の顔をのぞかせる
人造人間とセルの脅威は、ドクター・ゲロが悟空への復讐を誓ったことから始まる。「これはベジータ関係ないのでは?」と思うかもしれないが、話はそう単純ではない。
ドクター・ゲロが執念を燃やしたのは、レッドリボン軍を壊滅させた悟空への恨みが発端だ。しかしセル編で見逃せないのは、ベジータの慢心がセル完全体の誕生を許したという事実である。
セルが18号を吸収して完全体になれたのは、それを阻止できる力を持ちながらベジータが「完全体になったセルと戦いたい」という純粋な戦闘欲から見逃したからだ。
超サイヤ人に覚醒し、完全体セルを圧倒できるほどの力を持ちながら、自ら完全体への進化を手助けするという判断。これにより地球は完全体セルという絶望的な脅威にさらされることになった。
「強い敵と戦いたい」というベジータの本質的な性格が、最悪の結果を招いた典型例だ。
④ 魔人ブウ復活の”最大の元凶”はベジータの闇堕ち
そして最大の戦犯ポイントがここだ。
魔人ブウ編において、ブウが復活するためには膨大なエネルギーが必要だった。魔道士バビディはそのエネルギーを集めるため、強い戦士を操ろうとする。そのターゲットになったのがベジータだった。
驚くべきことに、ベジータはバビディの洗脳に自ら身を委ねた。悟空への対抗心、かつての「サイヤ人の王子」としてのプライド、そういった感情がベジータを魔人化へと駆り立てた。
この魔人ベジータの戦いによって生まれた膨大なエネルギーが、魔人ブウの復活を完成させた。
結果として地球は消滅寸前まで追い込まれ、多くの命が失われた。魔人ブウという存在自体は古くから封印されていたものだが、その封印を解く鍵を実質的に握っていたのはベジータだった。
自らの意思でダークサイドに落ちたこの決断は、どう考えても擁護が難しい。
⑤ それでもベジータは「必要だった」のか?
ここまで読んでいると「ベジータさえいなければ」という気持ちになってくるかもしれない。しかし、ちょっと待ってほしい。
【ベジータ必要派の意見】
- セル編において、超サイヤ人2に覚醒した悟飯を支えたのはベジータだった
- ブウ戦の最終局面で、元気玉のための時間を稼いだのはベジータの捨て身の戦いだった
- 悟空一人では太刀打ちできなかった局面も存在する
- 何より、ベジータがいたからこそ悟空は”超えるべき壁”を持ち続け、成長できた
【ベジータ不要派の意見】
- そもそも彼が関わらなければ起きなかった戦いが多すぎる
- 危機を招き、それを一部解決しているだけで、差し引きするとマイナスでは?
- 悟空の成長は、ベジータ以外の敵や仲間によっても十分に促されていた
どちらの意見も一理ある。これが「ベジータ問題」の面白いところだ。
まとめ:英雄か、戦犯か。あなたはどう思う?
ベジータという存在を改めて見つめ直すと、彼は「地球を救った英雄」でありながら、同時に「地球に危機を招いた戦犯」でもあるという矛盾した顔を持っている。
サイヤ人侵攻の呼び込み、ナメック星編への発展、セル完全体の誕生を許した慢心、魔人ブウ復活への加担──。これだけの”前科”を持ちながら、それでも私たちがベジータを愛してやまないのは、彼の圧倒的な「人間くささ」があるからだろう。
プライドと葛藤、成長と後悔。ベジータはただ強いだけのキャラクターではなく、最も深く「変化した存在」だ。
だからこそ問いたい。
「ベジータがいなければ地球は平和だったか?」──あなたはどう思うだろうか。



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