2026年2月9日、大分県別府市は物価高騰対策事業で使用した「全国共通おこめ券」1万292枚、総額452万8480円分を職員が誤って廃棄処分にしたと発表しました。
おこめ券配布事業とは
別府市は2025年10月1日から12月26日まで「おこめ券で生活応援事業」を実施し、市内約5万4000世帯を対象に引換券を配布していました。これは国の物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金を活用した生活支援策の一つで、18歳以下の子どものいる世帯には実際のお米3kgを、それ以外の世帯には440円分のおこめ券を配るという内容でした。
市民は引換券を持参すれば、市役所や出張所などの指定場所でおこめ券と交換でき、そのおこめ券を使って全国の取扱店舗でお米を購入できる仕組みです。
なぜ捨てられたのか:信じられない管理体制の甘さ
事件の背景には、複数の管理ミスが重なっていました。
失念から廃棄までの経緯
事業終了後、引き換えられなかったおこめ券は会計課の金庫に保管していたが、産業政策課の職員が発行元に返送して返金を受けるため2026年1月5日に金庫から出し、枚数などを確認した後、職員は金庫に戻さず段ボール箱に入れて産業政策課の書庫で保管していたことが問題の始まりでした。
本来、会計課の金庫で保管すべきところ、精算作業のために移動させたあと金庫に戻さず、廃棄の際も確認を怠っていたという、基本的な管理手順の無視が事態を招きました。
発覚までのタイムライン
1月5日に金庫からおこめ券を取り出し、1月23日に不要書類と一緒に清掃センターに持ち込んで廃棄。そして1月26日になって職員が紛失に気づきましたが、すでに焼却処分されていたため回収不可能な状態でした。
450万円もの価値がある金券を、わずか3週間で見失ってしまうという管理体制の杜撰さには驚くほかありません。
市長・副市長の減給処分:総額約310万円で補填
長野恭紘市長は14カ月間、月給の20%減額で計250万3200円、副市長2人を2カ月間、月給の20%減額で計59万3600円とする処分を自らに科すと発表しました。
処分の詳細
- 市長:2026年2月から2027年3月まで14カ月間、給料20%削減(総額250万3200円)
- 副市長2人:2カ月間、給料20%削減(2名分合計59万3600円)
- 減額総額:約310万円
残りの約142万円については、幹部職員らが自発的に寄付をして補填する予定です。また、直接の担当職員についても今後厳正に処分される方針が示されています。
長野市長は謝罪のコメントで、「職員の不適切な事務処理によるおこめ券の紛失は市民の信頼を大きく失墜させてしまうことになり、心からおわびする」と述べました。
ネット上の反応:厳しい意見と冷静な分析が交錯
この事件に対して、インターネット上では様々な反応が見られました。
管理体制への批判
「地方自治体って普通にずさんだから普通にありえる」「一般企業だとありえんがな」といった、自治体の管理体制の甘さを指摘する声が多く見られました。金券という換金性の高い財産を、段ボール箱に入れて書庫に置きっぱなしにするという管理方法に対して、信じられないという反応が大半です。
疑念の声も
「本当に廃棄したなら使用されず全農丸儲けなので賄賂。廃棄せず流してたら横領。どの可能性でも最悪」といった、本当に廃棄されたのかを疑う声もありました。ただし、市の調査では不正利用は確認されず、誤廃棄と判断されています。
処分の妥当性について
市長の14カ月という処分期間について、「1年2カ月という中途半端な期間、ひょっとして440万円に相当するんじゃないか?」と、減給総額が紛失額に相当するよう計算されているのではないかと分析する声もありました。実際、市長と副市長の減額分だけで約310万円となり、かなりの部分を補填する形になっています。
冷静な意見も
一方で、「公開されてる別府市長の月額給料が90万、副市長が75万か。この人達の手当含めた給与はよく分からんけど、加味して20%減額計算したら450万の補填はそこで出来てるんじゃないかね」という冷静な分析もあり、トップが責任を取る形で金銭的には解決されるという見方もありました。
再発防止策:別府市の今後の取り組み
別府市は今後、金券の保管状況の点検や職員研修の実施など再発防止に取り組む Yahoo!ニュースとしています。具体的には以下の対策が予定されています。
- 全庁を対象とした金券等の保管状況の一斉点検
- 金券管理に関する職員研修の実施
- 保管管理マニュアルの見直しと徹底
税金の使い道として問われる自治体の責任
今回の事件は、物価高に苦しむ市民を支援するはずだった事業が、職員の不注意により450万円以上の税金を無駄にしてしまったという点で、非常に残念な出来事です。
市長と副市長が自らの給与を削減して補填する姿勢は評価できますが、そもそもこのような事態を防ぐべき管理体制が機能していなかったことが最大の問題です。金庫から取り出した金券を戻さない、確認せずに廃棄するという基本的なミスの連鎖は、組織的な管理意識の欠如を示しています。
全国の自治体にとっても、金券や商品券などの管理体制を見直す良い機会となるでしょう。市民の税金を預かる立場として、より厳格な管理と職員教育が求められています。別府市には、今回の教訓を生かし、二度とこのような事態が起きないよう、実効性のある再発防止策を実施することが期待されます。




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