はじめに:美容インフルエンサーに降りかかった脱税疑惑
2025年12月25日、SNS上で大きな波紋を呼ぶニュースが報じられました。Instagramのフォロワー約47万人を誇る美容系インフルエンサー・宮崎麗果氏が、東京国税局査察部から法人税法違反などの疑いで刑事告発されたのです。告発された脱税額は法人税と消費税を合わせて約1億5700万円という巨額に上ります。
「セレブママインフルエンサー」として華やかな生活を発信してきた宮崎氏に、いったい何があったのでしょうか。この記事では、事件の全容と脱税の手口、そして今回のケースから見えてくる重要な教訓について詳しく解説していきます。
宮崎麗果氏とは|年商25億円を誇る実業家インフルエンサー
宮崎麗果氏は、本名を黒木麗香といい、37歳の実業家です。16歳でモデルデビューを果たした後、大学卒業後にコンサルティング会社を設立し、美容・アパレル関連のビジネスを展開してきました。
私生活では5児の母であり、2021年には元EXILEメンバーの黒木啓司氏と結婚したことでも話題となりました。インスタグラムでは美容情報やセレブライフスタイルを発信し、多くの女性フォロワーから支持を集めてきたのです。
彼女が代表を務める広告会社「Solarie(ソラリエ)」は、アフィリエイト広告を主力事業としています。SNS投稿に商品リンクを掲載し、そこから商品が購入されると依頼主から成果報酬を受け取る仕組みで収益を上げていました。
事件の全容|約5億円の所得隠しと脱税の手口
告発された容疑の詳細
東京国税局査察部の調査により、2021年、2023年、2024年の確定申告において、架空の業務委託費を計上するなどして約4億9600万円の所得を圧縮し、法人税など約1億2600万円を免れたとされています。さらに、2022年2月から2024年1月にかけて、消費税約3100万円を脱税した疑いも持たれています。
具体的な脱税の手口
今回の事件で注目されるのは、その巧妙な手口です。架空の業務委託費を計上するため、知人を通じて取引先などの名前を使った虚偽の領収書を作成させていたとされています。この手法により、実際には存在しない経費を計上し、会社の所得を不正に圧縮していたというのです。
報道によれば、宮崎氏の知人である別会社役員の男性2名も、虚偽領収書の作成などを通じて脱税を幇助した疑いで同時に告発されています。組織的に税金逃れのスキームを構築していた可能性が指摘されているのです。
脱税で得た資金の使途
不正に得た資金は事業資金やブランド品の購入などに充てられていたといいます。宮崎氏のインスタグラムには高級車や豪華な生活ぶりが投稿されており、一部の投稿は事件発覚後に削除されたことも報じられています。
国税局査察部(マルサ)による刑事告発の重み
査察調査と刑事告発の違い
税務調査には段階があります。通常の税務調査で修正申告を促されるケースもあれば、悪質性が高いと判断された場合には国税局査察部、通称「マルサ」による強制調査が実施されます。
そして査察調査の結果、刑事事件として立件すべきと判断されると、検察庁に告発されます。今回の宮崎氏のケースは、この最も重い段階に至ったということです。告発された時点で「かなり重いケース」であることは間違いありませんが、有罪確定までは司法の判断を待つことになります。
SNS時代の税務調査
興味深いのは、国税庁が会社経営者などのSNS投稿を根拠として会社の収支を確認することがあるという点です。SNSでの華やかな生活ぶりと申告内容に大きな乖離がある場合、税務当局の目に留まりやすくなります。
宮崎氏は事件発覚前にフェラーリ納車などのセレブな投稿を削除していたことが報じられており、これもSNSと税務調査の関連性を示唆しています。
宮崎氏の反応と今後の展開
事件が報道される前日の12月24日、宮崎氏は自身のインスタグラムで声明を発表しました。投稿では「過少申告のご指摘を重く受け止め、深く反省している」と述べ、必要な修正申告および納税に速やかに対応する意向を示しています。
また、公式サイトでは、他のブランドを運営する法人や家族は今回の件とは無関係であると明記し、関係者への謝罪も行っています。
検察による起訴の判断、そして裁判へと進む可能性があります。脱税額の大きさや組織的な関与が認められれば、実刑判決の可能性も否定できません。過去の類似事例では、悪質な脱税事件で執行猶予付きの有罪判決や実刑判決が下されたケースもあります。
インフルエンサービジネスと税務リスク
アフィリエイト収入の申告義務
今回の事件は、インフルエンサーという新しい職業における税務コンプライアンスの重要性を改めて浮き彫りにしました。アフィリエイト広告による収入は立派な事業所得であり、適切な申告と納税が必要です。
成果報酬型のビジネスモデルでは、取引の記録が電子データとして残りやすく、税務当局も調査がしやすい側面があります。「バレないだろう」という安易な考えは禁物です。
適正な経費計上とは
経費として認められるのは、事業に直接関係する支出のみです。架空の取引や業務実態のない支出を経費として計上することは、明確な脱税行為となります。
特に個人事業主や小規模法人では、事業と私的な支出の境界が曖昧になりがちですが、記録をしっかり残し、税理士などの専門家に相談しながら適正に処理することが重要です。
この事件から学ぶべき教訓
今回の宮崎麗果氏の事件は、いくつかの重要な教訓を私たちに示しています。
まず第一に、どれほど人気や影響力があっても、税務上のルールは平等に適用されるということです。フォロワー数や年商の規模に関わらず、正しい納税は社会の一員としての義務なのです。
第二に、SNSでの発信内容と実際の経済状況の整合性が問われる時代になったということです。華やかな生活を発信しながら適切な納税をしていない場合、そのギャップが税務調査のきっかけになる可能性があります。
第三に、「専門家に丸投げ」するのではなく、経営者自身が税務の基本的な知識を持ち、自社の申告内容を理解することの重要性です。たとえ税理士に依頼していても、最終的な責任は経営者本人にあります。
インフルエンサーにも求められる税務コンプライアンス
インフルエンサーという職業は、今や多くの人々に影響を与える重要な存在となりました。だからこそ、社会的責任として適切な納税を行うことが求められます。
宮崎麗果氏の事件は、華やかに見えるインフルエンサービジネスにも、地道な税務管理と正直な申告が不可欠であることを教えてくれます。これからインフルエンサーを目指す人、すでに活動している人にとって、税務コンプライアンスは避けて通れない課題なのです。
今後の司法判断を注視しながら、この事件を他山の石として、健全なビジネス活動と適正な納税の重要性を再認識する機会としたいものです。


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