3月20日に名古屋IGアリーナで開催される「BreakingDown19」。その注目カードのひとつが、直前になって突然消滅した。セミファイナルに組み込まれていた萩原裕介 vs 田中雄士戦が、田中の網膜剥離による欠場で白紙に。あれほど波乱と因縁を重ねてきたカードが、まさかリングに上がる前に幕を下ろすことになるとは誰が予想しただろうか。何が起き、今後どうなるのか。最新情報をまとめた。
田中雄士が網膜剥離でBreakingDown19を欠場
欠場が発表されたのは、CEO朝倉未来のYouTubeチャンネルだった。動画タイトルは「田中雄士が欠場したので急遽はしご酒しながら会議した」。異例とも言える発表スタイルだが、COOの溝口勇児と萩原裕介も同席するなかで、朝倉自らが欠場の事実を視聴者に伝えた。
田中サイドの説明によれば、タイ合宿中に異変が起きたという。「視界が狭くなってきた」という自覚症状が出始め、精密検査を受けたところ、網膜裂孔が9カ所にも及ぶことが判明。即座に緊急手術が行われ、医師から試合出場は不可能と判断された。
網膜剥離とは、網膜に裂け目(裂孔)ができ、そこから液体が入り込んで網膜が剥がれていくタイプの病気だ。放置すると視野の欠損や視力低下、最悪の場合は失明につながる。
格闘技選手にとって、目の健康は文字通りキャリアを左右する問題であり、今回の欠場はやむを得ない判断だったと言えるだろう。
そもそも「萩原裕介 vs 田中雄士」はどんな因縁カードだったのか
このカードの成立には、BreakingDown18オーディションで起きた大騒動が背景にある。
2025年12月5日・7日に公開されたBreakingDown18のオーディション動画に出演した田中は、千葉喧嘩自慢の選手の試合決定を求めて登場した。しかし朝倉から「なぜ自分が試合をしないのか」と問われると、「俺に喧嘩売りたいんだったら、プライベートで喧嘩売って来い。へこませてやるからよ。お前ら全員。お前もよ!」と朝倉を含めて挑発し、目の前にあったセットを蹴り飛ばした。
この挑発に朝倉が激怒し、「お前今からやってやろうか!?」と審査員席を飛び出して田中の前に立ったことで、溝口や萩原、セキュリティが総出で両者を引き剥がす騒ぎに発展した。 これはBreakingDown17回のオーディション史上、朝倉が初めてブチギレた瞬間として記録されており、関連動画は550万回を超える再生数を記録している。
その後、田中が再登場し「元々揉めるつもりはない。大人気なかった。俺が裕介とやることで認めてもらい、周りにもケジメがつくなら。ここまできたらやるしかない」と発言、萩原との対戦を承諾した。
体重問題で泥沼の交渉に
カード成立後も一筋縄ではいかなかった。オーディションvol.1にて萩原が「なんか運営に63キロじゃなきゃやらないって?」と問い詰めると、田中は「交渉の段階で運営通して聞いたらそういうに決まってる」と反論。
萩原は「普段80キロあるんすよ。63って言われて頭きますよね」と怒気をあらわにし、「ここで試合が決まった経緯を考えてください」と詰め寄った。さらに「もしかして、あそこで色々言ったけど、お家帰ったらビビっちゃったんじゃねえの?」とた畳みかけた。
最終的に体重は71キロ(一部報道では72キロ)での契約で決着。普段80キロの萩原にとっては10キロ近い大幅減量を求められる条件であり、その点でも試合前から萩原のストレスは相当なものだったと想像できる。
萩原裕介の反応は「年内に完全に治してやりましょう」
欠場発表を受けた萩原は、電話でコメントを残している。格闘技経験豊富な萩原らしく、感情的になることなく冷静な言葉を選んだ。「格闘技なんでけがは付き物。完全に治して年内にやりましょう」と語り、年内での再戦に意欲を見せた。
泥沼の体重交渉、舌戦、そして因縁の対決——。それだけのドラマを経て組まれたカードだっただけに、萩原の胸中には悔しさや複雑な感情もあっただろう。しかしその言葉の奥に、真剣に田中を相手として認めているからこその再戦要求が滲み出ている。
代役はメカ君に決定
急遽セミファイナルに抜てきされたのは、BreakingDownファンにはおなじみの「メカ君」だ。メカ君はBreakingDown常連ファイターとしてすでに6勝2敗1反則負けの戦績を持つ。
エンセン井上の弟子として知られ、ベアナックルスタイルでも実績を残してきた。実力・知名度ともに申し分なく、急遽のセミ抜てきでも大会の質を落とさない選択として評価は高い。
Breaking Down19の全体への影響
セミファイナル変更という大きな変更が生じたものの、大会自体のカード数と注目度は依然として高い。今大会は名古屋IGアリーナという大箱を舞台に、様々な因縁カードが揃っており、田中欠場はあくまで一試合の変更に留まる。
ファンの反応はSNS上でも割れている。「残念すぎる」という声がある一方、「けがなんだから仕方ない」「年内再戦に期待する」といった冷静な意見も多く見られた。田中への批判的な声がないわけではないが、命に関わりかねない眼の疾患であることを鑑みれば、欠場という判断に異議を唱えるのは難しい。
まとめ
田中雄士のBreakingDown19欠場は、タイ合宿中に発覚した網膜剥離が原因だ。網膜裂孔が9カ所という深刻な状態での緊急手術を経て、試合出場は医師により不可能と判断された。
BreakingDown18オーディションでの大騒動に始まり、体重交渉の泥沼を乗り越えてようやく実現するはずだった萩原裕介との因縁カードは、残念ながら今回は幻となった。しかし萩原本人が「完全に治して年内にやりましょう」と語っているとおり、この対決は終わったわけではない。
目の完全回復を最優先に、田中が年内にケージへ戻ってきたとき、改めてこの因縁に決着をつける日が来ることをファンは待ち望んでいる。Breaking Down19のリング上で、今度は代役のメカ君が萩原相手にどんな戦いを見せるかにも注目だ。




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