しばき隊
大阪市内で、参政党の支持者と間違われたとされる男性が、「しばき隊」を名乗る複数の男らから暴行を受け、重傷を負う事件が発生しました。現在、警察は傷害事件として捜査を進めています。
政治的対立が激しさを増す中、「しばき隊」という名前が再び注目されています。そもそも、しばき隊とは何なのか。どのような目的で活動してきたのか。そして、今回の事件が社会に投げかける問題とは何か。背景を整理します。
大阪市内で発生した傷害事件の概要
報道によると、被害男性は特定の政党支持者であると誤認され、「しばき隊」を名乗る男らに囲まれ暴行を受けたといいます。命に別状はないものの重傷を負っており、警察は傷害事件として捜査中です。
政治的思想の違いを理由に暴力が振るわれた可能性がある点で、社会的関心は高まっています。
そもそも「しばき隊」とは何か?
「しばき隊」は正式名称を「レイシストをしばき隊」といい、2010年代前半に活動が注目された反差別系の市民グループです。
活動のきっかけとなったのは、
在日特権を許さない市民の会(通称:在特会)などによる排外的デモでした。
在特会が在日コリアンに対する過激なデモを行っていた時期、「差別に対抗する市民運動」としてカウンター行動を展開したのが、しばき隊です。
名称の「しばく」は関西弁で「叩く・やっつける」という意味。実際に暴力を振るうというよりも、「差別主義者を厳しく批判する」という強いメッセージ性を込めたネーミングでした。
しばき隊の目的と活動内容
しばき隊の基本的な目的は、「ヘイトスピーチや差別的言動に対抗すること」です。
主な活動は以下の通りです。
- ヘイトデモへのカウンター抗議
- 差別発言に対する抗議活動
- SNSを通じた発信
その後、一部のメンバーはC.R.A.C.(Counter-Racist Action Collective)として活動を継続しました。
こうした運動の高まりは、2016年に施行されたヘイトスピーチ解消法の成立にも一定の影響を与えたと指摘されています。
なぜ賛否が分かれるのか?
しばき隊は「反差別」という理念を掲げる一方で、活動手法の過激さが批判の対象にもなりました。
- 罵声や強い言葉による抗議
- 相手との衝突
- ネット上での激しい応酬
支持者からは「差別に対抗するためには強い姿勢が必要」という声がある一方、批判側からは「言論には言論で対抗すべき」「暴力的手法は本末転倒」との指摘もあります。
今回の大阪市の事件が事実であれば、反差別を掲げる団体の名を用いた暴力行為という構図になり、その理念との整合性が厳しく問われることになります。
政治的対立と“ラベリング”の危険性
今回の事件で特に問題視されているのは、「参政党支持者と誤認された」という点です。
政治的立場や思想を巡る分断が進む中、「あの人は○○支持者だ」というレッテル貼りが暴力の引き金になる構図は、民主社会において極めて危険です。
言論の自由、思想信条の自由は憲法で保障された基本的権利です。それを力で封じ込めようとする行為は、いかなる立場であっても正当化されません。
「しばき隊」は今も存在するのか?
かつてのような大規模な街頭活動は減少していますが、個人単位や関連グループによる活動は続いているとされています。ただし、「しばき隊」という名称は広く知られているため、誰でも名乗ることが可能な状態にあるのも事実です。
そのため、今回の事件が組織的なものなのか、個人の暴走なのかも含め、慎重な捜査と事実確認が必要です。
理念と暴力は両立しない
- 大阪市内で男性が暴行を受け重傷
- 加害者は「しばき隊」を名乗る
- 警察は傷害事件として捜査中
しばき隊は本来、ヘイトスピーチに対抗する反差別運動として登場しました。しかし、いかなる理念であっても暴力によって主張することは社会の分断を深めるだけです。
政治的対立が激しくなる時代だからこそ、冷静な議論と法に基づく解決が求められています。今後の捜査の行方とともに、「言論と暴力の境界線」を社会全体で改めて考える必要があるでしょう。


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