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2026年診療報酬改定で訪問医療はどう変わる?医療費適正化と囲い込み問題の真相

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はじめに:なぜ今、訪問医療の見直しが必要なのか

高齢化が進む日本社会において、在宅医療は欠かせないサービスとなっています。しかし厚生労働省は2026年度の診療報酬改定で、訪問診療や訪問看護の報酬体系に大きくメスを入れる方針を打ち出しました。必要性の低い過剰な訪問や、高齢者住宅併設の訪問看護ステーションによる高利益率の問題が、ついに是正されることになったのです。

この改定は、増え続ける医療費の抑制だけでなく、利用者の「囲い込み」という構造的な問題にも切り込むものです。在宅医療を必要とする患者さんやご家族にとって、今後どのような影響があるのでしょうか。

訪問診療報酬の見直し:頻繁な訪問は本当に必要か

軽度者への過剰訪問が問題に

訪問診療は本来、通院が困難な患者さんのための医療サービスです。しかし実態として、要介護度が低く比較的健康な高齢者に対しても、週1回以上の高頻度で訪問診療が行われているケースが少なくありません。

厚生労働省の調査では、こうした必要性の薄い訪問診療が医療費を押し上げている実態が明らかになりました。2026年度の改定では、患者の状態に応じた適切な訪問頻度を評価する仕組みが導入される見込みです。

報酬抑制の具体的な内容

要介護度1や2といった比較的軽度の利用者への訪問診療については、報酬が段階的に引き下げられる方向です。医学的に頻繁な訪問が必要でない場合、月2回程度の訪問を基本とし、それを超える訪問には厳格な要件が課される可能性があります。

一方で、医療依存度の高い重症患者や、がん末期などで集中的なケアが必要な患者への訪問診療は、引き続き適切に評価される方針です。真に必要な医療にはしっかりと報酬を配分する、メリハリのある制度設計が目指されています。

訪問看護の利益率問題:高齢者住宅併設型に焦点

なぜ高利益率が生まれるのか

訪問看護ステーションの中でも、特にサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)や有料老人ホームに併設されたステーションの利益率が突出して高いことが問題視されています。

その理由は明快です。同じ建物内の入居者を次々と訪問できるため、移動時間がほぼゼロ。1日に訪問できる件数が格段に多くなり、効率性が極めて高いのです。通常の訪問看護では移動に多くの時間を費やす一方、併設型では同じ時間で2倍、3倍の訪問件数をこなせます。

囲い込みビジネスモデルの実態

さらに深刻なのが「囲い込み」の構造です。高齢者住宅の運営事業者が併設の訪問看護ステーションを持つことで、入居者は事実上その事業者のサービスしか利用できない状況に置かれます。

入居者側から見れば選択の自由が奪われ、サービスの質や価格の競争原理が働きません。事業者側は安定した「顧客」を確保でき、高い利益率を維持できる仕組みです。本来、利用者本位であるべき介護・医療サービスが、事業者の収益最大化の道具になっているとの批判が高まっていました。

2026年改定での対応策

厚生労働省は、同一建物内の複数利用者への訪問看護について、報酬を大幅に引き下げる方針です。効率性が高い分、1件あたりの報酬を下げるという考え方です。

また、入居者に対して併設事業者以外のサービスを選択できる仕組みの整備も検討されています。利用者の選択権を保障し、健全な競争環境を作ることが狙いです。

医療費抑制の必要性:持続可能な社会保障を目指して

膨張する在宅医療費の現状

日本の医療費は年間約45兆円に達し、そのうち在宅医療関連の費用は急速に増加しています。2025年には団塊の世代が全員75歳以上となり、医療・介護需要はピークを迎えつつあります。

訪問診療や訪問看護は、入院医療と比べれば確かに低コストです。しかし利用者数の急増と、一部の過剰なサービス提供により、全体としての医療費押し上げ要因になっているのも事実です。

適正化は「削減」ではなく「最適化」

誤解してはいけないのは、今回の改定は単なるコストカットではないという点です。本当に必要な医療には十分な資源を配分し、過剰・不適切なサービスを是正する。これが「適正化」の本質です。

限られた財源の中で、必要な人に必要なサービスが届く仕組みを作る。それが持続可能な社会保障制度の基盤となります。

利用者への影響:変化にどう対応すべきか

サービスの質は低下するのか

報酬が下がることで、サービスの質が低下するのではないかという懸念があります。しかし適切に設計された報酬体系であれば、むしろサービスの質は向上する可能性があります。

本当に医療的ケアが必要な患者には手厚いサービスが提供され、軽度の方には過剰な医療介入を避けることで、かえって自立支援につながるケースもあるでしょう。

利用者が気をつけるべきポイント

今後、訪問診療や訪問看護を利用する際には、以下の点に注意が必要です。

複数の事業者を比較する: 高齢者住宅入居の際も、併設サービスの利用を強制されないか確認しましょう。他の事業者を選択できる自由があるかどうかが重要です。

必要性を主治医と相談: 訪問の頻度や内容が本当に自分の状態に合っているか、定期的に見直すことが大切です。過剰なサービスは医療費の無駄遣いだけでなく、患者自身の自立を妨げる可能性もあります。

ケアマネジャーの活用: 介護サービスと医療サービスの適切な組み合わせについて、ケアマネジャーに相談することも有効です。

まとめ:公正で持続可能な在宅医療を目指して

2026年度診療報酬改定による訪問医療の見直しは、日本の在宅医療が成熟期を迎えたことを示しています。急速な拡大期を経て、今度は質と効率性を高める段階に入ったのです。

必要性の薄い訪問診療の抑制、高利益率の訪問看護への適正化、そして利用者囲い込み問題への対応。これらは決して「改悪」ではなく、真に患者本位の医療を実現するための改革です。

私たち利用者側も、「サービスは多ければ良い」という考えから脱却する必要があります。適切なタイミングで、適切な量の医療・介護サービスを受けること。それが自分らしい生活を維持し、限られた医療資源を次世代にも残していく道なのです。

在宅医療の世界は今、大きな転換点を迎えています。この変化を前向きに捉え、より良い制度へと育てていくことが、私たち全員に求められています。

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