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エンゲル係数44年ぶり高水準が示す日本経済の深刻な現実──生活費高騰と賃金停滞の狭間で

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社会
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家計を圧迫する「食費の重み」が映す日本の姿

総務省が2026年2月6日に発表した2025年12月の家計調査は、私たちに衝撃的な現実を突きつけました。消費支出に占める食費の割合を示す「エンゲル係数」が、実に44年ぶりの高水準を記録したのです。この数字は単なる統計データではありません。日本国民の生活が確実に苦しくなっていることを示す、まぎれもない証拠なのです。

エンゲル係数とは、家計の消費支出全体のうち食費が占める割合のこと。一般的に、この数値が高いほど生活水準が低いとされています。なぜなら、生活に余裕がある家庭は食費以外の教育費、娯楽費、貯蓄などにお金を回せますが、生活が苦しい家庭は「食べること」だけで精一杯になるからです。

三重苦に喘ぐ日本の家計──社会保障費・消費税・物価上昇

現在の日本の家計は、かつてない三重苦に直面しています。

第一の重荷は社会保障費の増大です。高齢化社会の進展により、健康保険料や介護保険料、年金保険料は年々上昇を続けています。特に40歳以上の現役世代にとって、給与明細から天引きされる社会保険料の額は、もはや無視できない規模になっています。手取り収入が減る一方で、将来もらえる年金額への不安は募るばかり。「払うだけ払って、自分はもらえないのでは」という世代間不公平感も広がっています。

第二の重荷は消費税です。2019年10月に10%へと引き上げられた消費税は、私たちの日常生活のあらゆる場面で負担となっています。食料品には軽減税率が適用されているとはいえ、外食や加工食品は10%。日々の買い物から家電製品、衣料品まで、ほとんどすべての消費に税がかかります。消費税は所得に関係なく一律にかかる「逆進性」のある税金であり、低所得者ほど負担感が重くなる構造です。

第三の重荷が物価上昇です。2022年以降、エネルギー価格の高騰や円安の影響により、食品を中心に物価は急上昇しました。小麦や食用油などの原材料費上昇、輸送コストの増加により、パン、麺類、調味料、乳製品など、日常的に購入する食品の多くが値上げされています。スーパーマーケットで同じ商品を買っても、レジで支払う金額は確実に増えているのです。

賃金上昇が追いつかない現実──実質所得は減少傾向

これらの負担増に対して、私たちの収入はどうでしょうか。確かに名目賃金は微増していますが、物価上昇率を考慮した「実質賃金」はむしろマイナスが続いてきました。2023年から2024年にかけて、一部の大企業では賃上げが実施されましたが、中小企業で働く人々や非正規雇用者には、その恩恵が十分に届いていません。

日本の雇用者の約7割は中小企業で働いており、約4割が非正規雇用です。こうした層にとって、大企業の賃上げニュースは「別世界の話」に聞こえます。パートタイム労働者や契約社員の時給は少しずつ上がっても、物価上昇と社会保障費負担の増加に追いつかず、生活実感としては「年々苦しくなっている」と感じる人が多いのが現実です。

食費は削れない──生存のための最低限の支出

エンゲル係数が上昇している背景には、「食費は削れない」という切実な事情があります。人間は食べなければ生きていけません。娯楽費や被服費なら我慢できても、食費だけは最低限確保しなければならないのです。

しかし、その「削れない食費」が値上がりしているために、家計全体に占める割合が高くなっています。多くの家庭では、国産から安価な輸入品への切り替え、外食の回数削減、見切り品や特売品の活用など、あらゆる工夫で食費を抑えようとしています。それでも、物価上昇のペースには追いつかず、結果として消費支出全体を切り詰めることになります。

教育費、趣味の費用、旅行、貯蓄──こうした「食べること以外」の支出が犠牲になっているのです。子どもの習い事を減らす、家族旅行を諦める、将来のための貯蓄ができない。エンゲル係数の上昇は、こうした生活の質の低下を数字で表しているのです。

政府の対策は十分か──場当たり的支援の限界

政府もこの状況を放置しているわけではありません。電気・ガス料金の負担軽減策、低所得世帯への給付金、ガソリン補助金など、さまざまな支援策が実施されてきました。しかし、これらの多くは一時的な「痛み止め」であり、根本的な解決にはなっていません。

本当に必要なのは、持続可能な形での所得向上です。最低賃金の引き上げ、中小企業の生産性向上支援、非正規雇用者の待遇改善、子育て世帯への恒久的な支援拡充など、構造的な改革が求められています。また、消費税の軽減税率拡大や社会保障制度の見直しなど、家計負担を軽減する税制改革も検討すべきでしょう。

さらに、食料自給率の向上も重要です。日本の食料自給率はカロリーベースで約38%と低く、輸入依存度が高いため、円安や国際情勢の影響を受けやすい構造になっています。国内農業の振興は、食料安全保障の観点からも、価格安定の観点からも、喫緊の課題です。

日本は「貧困国」への道を歩むのか

エンゲル係数44年ぶりの高水準という事実は、日本経済の相対的な地位低下を象徴しています。かつて「一億総中流」と言われた日本社会は、今や格差が拡大し、中間層が痩せ細りつつあります。

国際比較でも、日本の一人当たりGDPは先進国の中で順位を下げ続けています。賃金水準は主要先進国と比べて低く、若者の多くが将来に希望を持てない状況です。「失われた30年」と呼ばれる長期停滞から抜け出せないまま、少子高齢化は加速し、社会保障費は膨張し続けています。

このまま何も変わらなければ、日本は経済的に「貧困国」とまでは言わないまでも、かつての豊かさを失った「衰退国」になってしまう可能性があります。それは統計上の数字だけの問題ではなく、国民一人ひとりの生活の質、人生の選択肢、幸福度に直結する問題です。

今、必要なのは構造改革と希望の創出

エンゲル係数の上昇という現実を前に、私たちは何をすべきでしょうか。

個人レベルでは、家計管理の見直し、スキルアップによる収入増、投資による資産形成など、できることから始めることが大切です。しかし、個人の努力だけでは限界があります。

社会全体としては、賃金上昇を伴う経済成長、公平な税制、持続可能な社会保障制度の構築が必要です。政治は短期的な人気取り政策ではなく、10年、20年先を見据えた構造改革に取り組むべきです。企業は適正な価格転嫁と賃上げの両立を図り、消費者もまた「安ければ良い」という価値観から脱却し、適正価格を受け入れる必要があるでしょう。

エンゲル係数44年ぶりの高水準──この数字は、警鐘であり、チャンスでもあります。今こそ日本社会のあり方を見直し、すべての国民が安心して生活できる社会を再構築する時です。私たち一人ひとりが当事者意識を持ち、声を上げ、行動することで、日本の未来は変えられるはずです。

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