業界最大手を襲った衝撃
2026年2月3日、退職代行サービス「モームリ」運営会社の社長・谷本慎二容疑者(37)と妻の志織容疑者(31)が弁護士法違反の疑いで逮捕された。累計利用者4万人超の業界最大手の逮捕は、SNSでトレンド入りする大きな反響を呼んでいる。
違法スキームの全容
容疑者らは2024年7月から10月、公務員や会社員6人を弁護士に紹介し、1人1万6500円の紹介料を受領。弁護士事務所からの振込は「ウェブ広告費」や「労働組合賛助金」名目で、実態なく紹介料を隠蔽した。
弁護士法72条は資格のない者が報酬目的で法律事務をあっせんすることを禁止。モームリは残業代請求や給料未払いなど法的交渉が必要な案件を弁護士に紹介しており、単なる退職意思伝達を超えた法律事務のあっせんが問題視された。
華やかな表と暗い裏
2022年開始から3年で3万件以上の実績を達成。テレビ番組「シューイチ」出演など積極的プロモーションで急成長し、利用者の6割以上が20代だった。
しかし内部では深刻な問題が横行。週刊文春によれば5人以上の従業員が他の退職代行で退社。元従業員証言では全員の前でミスを追及する「ゴン詰め」や威圧的発言が日常的で、「『違法だから絶対言わないで』と口止めされた」との証言もある。
SNSで賛否両論
X(旧Twitter)では「モームリ」「弁護士法違反」などがトレンド入り。
批判:「利用者を救う側が違法行為とは皮肉」「お金儲けが目的」という批判が目立つ。従業員が退職代行で辞めている事実に「自社の労働環境を改善できないのに」との指摘が相次いだ。
擁護:「退職代行サービス自体は必要」「ブラック企業で苦しむ人の最後の砦」との意見も。「手法は問題だが退職代行そのものを否定すべきでない」との冷静な見方もある。
業界懸念:業界関係者は「一部の悪質業者で業界全体のイメージ悪化」を懸念。帝国データバンク調査では退職代行業52法人のうち弁護士法人運営は3割強で、今回の逮捕が業界再編のきっかけになるとの見方もある。
利用時の注意点
東京弁護士会は2024年11月、労働組合提携形式も非弁行為にあたるとの声明を発表。専門家は弁護士法人運営以外の民間退職代行は縮小・撤退が進む可能性が高いと指摘。
安全なサービス選び ・弁護士法人運営か確認 ・料金体系の明確性 ・実績と口コミ精査 ・労働組合提携の実態確認
法的交渉が必要な場合は弁護士資格保有者対応のサービスを選ぶべきだ。退職代行需要の急増は日本の労働環境の歪みを映している。本来退職は労働者の権利だが、引き留めや嫌がらせで言い出せない現実がある。
まとめ
モームリ社長逮捕は退職代行業界の法令遵守の重要性を浮き彫りにした。サービスには社会的意義があるが、違法な手法での利益追求は許されない。今後は業界健全化と退職代行が不要な労働環境の実現、両方が求められる。容疑者は容疑否認しているが、警視庁は提携弁護士も捜査中。この事件が業界と労働環境に与える影響に注目が集まっている。


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