好業績なのになぜ?サンリオ株価の異常な下落
2026年1月、投資家の間で大きな話題となっているのがサンリオ株価の急落です。2025年8月に年初来高値8685円をつけた後、年末には5000円台前半まで下落し、わずか4カ月で半値近くまで値下がりしました 。
驚くべきことに、サンリオの業績は絶好調で、2026年3月期上期の売上高は876億円(前年同期比39.6%増)、営業利益は391億円(同66.1%増)と大幅な増収増益を達成 しています。では、なぜ好業績なのに株価は暴落したのでしょうか。
理由1:中国ポップマートのバブル崩壊による連鎖反応
株価暴落の最大の要因は、中国玩具メーカー「ポップマート」のフィギュア「ラブブ」バブル崩壊による市場全体への影響です。
両社の株価はここ半年でほとんど同じ値動きを見せており、2025年8月から9月のピークと比較して、それぞれ半値程度まで値下がりしています。機関投資家が両社を同じセクターとして捉えていたため、ポップマートの株価下落がサンリオにも波及したのです。
ポップマート自体の株価急落には複数の要因があります。2025年10月以降、大手IP企業の参入や模倣品のまん延、過剰供給によりバブルは弾け、トランプ関税を端緒とした米中貿易摩擦の激化懸念が、中国に製造拠点を置くポップマートを直撃しました。
理由2:日中関係の悪化による事業リスク
第二の要因として、日中関係の悪化が挙げられます。日中関係が冷え込むなか、訪日客の減少や現地ビジネスへの影響を懸念する声が市場で広がりました。
中国事業がサンリオの売上全体の2割弱を占める収益構造であるため、中国政府が自国民に日本への渡航自粛を呼びかけたことで、中国人観光客の大幅な減少が懸念されています。テーマパークの入場者数だけでなく、キャラクター商品の売上にも大きな影響を及ぼす可能性があります。
理由3:株式売出しと市場期待とのギャップ
三つ目の要因は、需給面での問題です。発行済み株式の約10%規模の株式売出しによる需給悪化が引き金となり、短期的に売りが先行しやすい局面となりました。
さらに、業績が良くても市場が期待していた利益水準(コンセンサス)に届かないと失望売りが出る「期待値ギャップ」も株価の重しとなりました。2025年8月のピーク時には期待先行で買われすぎていた面もあり、調整局面に入ったとの見方もあります。
サンリオの実際の業績は?
市場の不安とは裏腹に、サンリオの業績は力強い成長を続けています。
2026年3月期の通期業績予想は、売上高1843億円(前期比27.2%増)、営業利益702億円(同35.5%増)と上方修正されました。これは同年度内で2回目の上方修正です。
特に注目すべきは国内外での複数キャラクター戦略の成功です。ハローキティに加えて、クロミ、マイメロディ、ポムポムプリンなどが幅広い世代から支持を受けています。大阪・関西万博関連のコラボレーション施策も業績拡大に寄与しました。
今後の株価はどうなる?投資家が注目すべきポイント
現在のサンリオ株は割安なのでしょうか。PER(株価収益率)は24.85倍で東証プライム上場企業の平均18.3倍より高い水準にあり、配当利回りは1.21%と低く、PBR(株価純資産倍率)も8.76倍と割高な水準です。
ただし、グローバル展開が進む成長ステージにある企業としては、この水準も正当化される可能性があります。今後注目すべきポイントは以下の通りです。
短期的な注目点:
- 米国関税政策の具体的な影響度
- 中国市場の動向と訪日観光客の回復状況
- 第3四半期(1-3月)のクリスマス商戦の結果
中長期的な成長ドライバー:
- デジタル・ゲーム事業の収益化
- 欧州市場での複数キャラクター戦略の展開
- 中国Alifishとの協業による新作アニメ(2026年公開予定)
一時的な調整か、構造的な問題か
サンリオ株価の暴落は、①中国ポップマートとのセクター連動、②日中関係悪化への懸念、③需給面での調整という3つの要因が重なった結果といえます。
重要なのは、株価が下落している一方で、実際の業績は過去最高を更新し続けている点です。この乖離が示すのは、市場の短期的な不安と、企業の中長期的な成長力のギャップかもしれません。
アナリストの平均目標株価は7811円と、現在の株価から72%以上の上昇余地を示唆しています。業績の実態と株価の乖離に注目しながら、慎重に判断することが求められます。


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