競輪選手の年収は一般サラリーマンの平均を大きく上回る1,300万円前後とされています。
しかし、この数字はあくまで平均値。トップ選手は年収1億円以上を稼ぐ一方、下位クラスの選手は500万円程度にとどまります。
競輪選手の収入の仕組みと階級別の年収、知られざる収入源について詳しくシラベテミタ!
競輪選手の平均年収は1,300万円
競輪選手全体の平均年収は約1,300万円です。2023年のデータでは過去最高となる1,370万円を記録し、1998年の記録を25年ぶりに更新しました。年収1,000万円以上を獲得した選手は男女合わせて1,602人に達し、競輪業界全体が好調な経済状況を維持しています。
ただし、この平均値はトップクラスの高額賞金獲得者によって引き上げられた数字です。実際には階級制度によって収入格差が大きく、選手個人の実力によって年収は400万円から1億円以上まで大きく変動します。
階級制度が年収を左右する
競輪選手の年収を理解する上で最も重要なのが「階級制度」です。選手は成績に応じてS級とA級に分類され、さらに細かく班別に分けられています。
階級別の平均年収
S級S班(トップクラス)
- 平均年収:約1億円
- 年末のKEIRINグランプリに出場する9名が該当
- 最高峰のレースに継続的に出場できるエリート層
S級1班
- 平均年収:1,500万円〜3,000万円
- 主要なG1・G2レースへの出場資格あり
- 安定した高収入を維持
S級2班
- 平均年収:1,000万円〜1,500万円
- G3レースを中心に活躍
A級1班・2班
- 平均年収:700万円〜1,000万円
- F1・F2レースが主戦場
A級3班(最下層)
- 平均年収:500万円〜800万円
- デビューしたての新人選手が該当
- それでも一般的なサラリーマンの平均年収を上回る水準
この階級は年2回、成績に応じて更新されます。継続的に好成績を収めれば昇級できますが、成績不振が続けば降級する厳しい実力主義の世界です。
競輪選手の収入源は5つ
競輪選手の収入は、レースの賞金だけではありません。複数の収入源を組み合わせることで生計を立てています。
1. レース賞金(メイン収入)
最も大きな収入源がレースの賞金です。レースは「GP、G1、G2、G3、F1、F2」の6つのグレードに分類され、それぞれ賞金額が大きく異なります。
主要レースの優勝賞金
- KEIRINグランプリ(GP):約1億3,700万円(2023年は過去最高額)
- 日本選手権競輪(G1):約7,900万円
- G2レース:約300万円〜
- F1レース(デイ):約50万円〜
- 新人戦1着:59,000円
注目すべきは、9着までの全選手に賞金が支給される点です。1着を獲得できなくても、完走すれば必ず収入が得られる仕組みになっています。
2. 出走手当
レースに出場するだけで支給される基本的な手当です。
- 正選手手当と出走手当を合わせて約3万円
- レースに参加すれば最低限の収入が保証される
- 宿泊費や交通費も別途支給
3. 特別手当
レースの開催時間帯や条件によって追加される手当です。
モーニング手当 早朝に開催されるモーニング競輪への出場で支給
ミッドナイト手当 21:00〜23:30に開催される夜間レースへの出場で支給
落車棄権手当 落車してレースを完走できなかった場合でも、9着賞金の80%が支給される
予備選手手当 急な欠場が出た際に待機する予備選手への手当
4. 先導誘導員手当
先導誘導員の資格を取得した選手が、ペースメーカーとして活動する際に支給される手当です。レース以外の収入源として重要な役割を果たしています。
5. イベント出演・メディア活動
トップ選手に限られますが、以下の収入源もあります。
- 競輪関連イベントへの出演料
- YouTubeチャンネルの広告収入
- メディア出演料
ただし、これらで安定した収入を得られるのは一握りのスター選手のみです。
知っておくべき支出の実態
高額な収入を得ているように見える競輪選手ですが、実は多額の支出も伴います。
選手会への納付金
競輪選手は選手会への加入が義務付けられており、以下の費用を納める必要があります。
- 賞金の10%
- 1レース出走あたり一律15,000円
例えば600万円の賞金を獲得した場合、最低でも60万円が選手会に納付されます。これは実質的な「天引き」のようなもので、選手の手取り収入は公表される賞金額より少なくなります。
その他の必要経費
- 保険料:一般社会人と異なり国民健康保険に加入。ケガのリスクが高いため保険料も高額
- トレーニング費用:専用のジムやトレーニング機器の維持費
- 自転車のメンテナンス費用:競技用自転車は高価で、定期的な整備が必要
- 遠征費:開催地までの移動費(一部支給あり)
S級1班クラスの選手でも、実質的な手取りは賞金額の70〜80%程度になると言われています。
トップ選手の収入事例
歴代トップクラスの獲得賞金を記録した選手をご紹介します。
三谷竜生選手(2018年) 年間獲得賞金2億5,000万円超を記録し、歴代最高年間獲得賞金額を更新。KEIRINグランプリ優勝に加え、主要G1レースでの活躍により驚異的な金額を達成しました。
村上博幸選手(2010年賞金王) 年間約2億4,000万円を獲得。安定して上位入賞を重ねることで高額収入を実現しました。
これらのトップ選手の例は極めて稀ですが、S級S班に所属し続けられれば、年収1億円以上は十分に現実的な数字です。
安定収入を得るための戦略
競輪選手として長期的に安定した収入を得るには、以下の要素が重要です。
1. 継続的なレース出場
レースに出場しなければ収入はゼロです。正当な理由なく出場を拒否し続けると、選手資格を失う可能性もあります。「代謝制度」により、一定の成績を維持できない選手は強制的に引退となるため、定期的な出場と成績維持が不可欠です。
2. 階級維持と昇級
上位の階級を維持、または昇級することで、より高額な賞金レースへの出場機会が増えます。年2回の階級更新で昇級を目指す選手が多い一方、あえてA級に留まり長期的なキャリアを選択する選手もいます。
3. 長期的視点でのキャリア設計
常にS級最前線で優勝を狙い続けると選手寿命が短くなる傾向があります。一方、適度に入賞を重ね、ケガを避けながら長く現役を続ける戦略も有効です。生涯獲得賞金という観点では、後者の方が結果的に高額になるケースもあります。
引退後の生活設計
競輪選手は引退後の生活設計も重要です。2018年以降、年金制度の廃止や退職金のカットなど、福利厚生面での変化が続いています。
多くの選手は現役時代の賞金を貯蓄に回し、引退後に備えています。引退後の主な進路としては以下のようなものがあります。
- 飲食店などの自営業
- 不動産業への転身
- 競輪関連企業への就職
- 先導誘導員としての活動継続
- 競輪開設者(有名選手の場合)
実力次第で高収入を実現できる世界
競輪選手の年収は階級制度により大きな幅がありますが、最下層のA級3班でも平均500万円以上、トップのS級S班では1億円以上と、実力次第で高収入を実現できる職業です。
ただし、賞金から選手会への納付金や各種経費を差し引くと、手取り収入は公表額より少なくなります。また、ケガのリスクや引退後の生活設計も考慮する必要があります。
2023年は過去最高の平均年収を記録するなど、競輪業界全体は好調を維持しています。実力主義の厳しい世界ですが、努力次第で一般的なサラリーマンを大きく上回る収入を得られる魅力的な職業と言えるでしょう。
競輪選手を目指す方は、単に賞金額だけでなく、収入の仕組み全体を理解した上でキャリアプランを立てることをおすすめします。


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