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関西ファミレス「フレンドリー」はなぜ閉店したのか?老舗チェーンが消えた本当の理由

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1971年創業のファミレス草分けが2020年に幕

関西で長年愛されてきたファミリーレストラン「フレンドリー」が、2020年6月をもってすべて閉店した。かつては関西圏で80店舗以上を展開し、多くの家族連れや学生たちに親しまれたこのチェーンは、なぜ姿を消すことになったのか。その背景には、単なる一時的な経営不振ではなく、長年積み重なった構造的な問題があった。

フレンドリーの輝かしい歴史

フレンドリーは1954年に重里善四郎氏により寿司店「すし半」として大阪市の新世界で創業。1971年には、ファミリーレストラン「フレンドリー」の前身を大阪府大東市に開店させており、国内におけるファミレスチェーンの先駆け的存在でもあった。

この時代、ファミレスという業態はまだ珍しく、郊外の幹線道路沿いに大型駐車場を完備した家族向けレストランという概念は革新的だった。興味深いことに、和食ファミレス「和食さと」の創業者である重里進氏は善四郎氏の弟にあたり、兄弟揃って「関西のファミレス王」となった歴史がある。

多角化戦略と経営の迷走

1980年代後半、すかいらーくやロイヤルホストなど他地域の大手ファミレスが関西に進出してくると、フレンドリーは差別化を図るため積極的な多角化戦略を展開した。

米国大手ハンバーガーチェーン「カールスジュニア」とFC契約を締結したほか、イタリアンや海鮮レストラン業態に参入し、さらに2000年代には居酒屋業態に注力。「源べい」「土筆んぼう」などの新業態を次々と開発した。

2009年9月にセルフ式讃岐うどん専門店「香の川製麺」、2010年には駅前居酒屋「新・酒場 なじみ野」とハンバーグレストラン「ハッピーコング」、2013年9月には新鮮なハワイ料理で勝負を挑んだ「フレッシュフレンドリー」など様々な新業態を開発するなど、戦略の幅を広げすぎた結果、各業態での競争力が分散してしまった。

9期連続の赤字と政府系ファンドの支援

この多角化戦略は功を奏さず、2006年3月期以降9期連続の純損失を計上するなど経営不振から脱却できず、2014年8月には政府系ファンド「地域経済活性化支援機構(REVIC)」傘下から約10億円の出資を受けた。

経営再建の一環として、低価格業態への転換を進め、2016年には低価格海鮮居酒屋「マルヤス水軍」、2017年には低価格カフェレストラン「ゴッツ」を立ち上げた。しかし、これらの新業態も市場での明確なポジションを確立できず、赤字体質からの脱却には至らなかった。

2018年には大手ファミレス「ジョイフル」が出資し、親会社となって経営再建を支援することになったが、その矢先に新型コロナウイルスのパンデミックが襲った。

コロナ禍がもたらした決定的打撃

2020年4月にジョイフルから5億円の資金借入を実施。5月中旬には一部居酒屋の営業を再開したものの客足が戻らなかったといい、6月4日には残る70店舗のうち半数超となる41店舗の閉店を決定した。

対象店舗は居酒屋チェーンの「産直鮮魚と寿司・炉端 源ぺい」18店舗、「海鮮うまいもんや マルヤス水軍」9店舗、「地鶏と旬魚・旬菜 つくしんぼう」7店舗、「新・酒場 なじみ」5店舗、「ファミリーレストラン フレンドリー」1店舗、「カフェレストラン ゴッツ」1店舗と、ほぼ全業態に及んだ。

そして最終的に、2020年6月をもってファミレスや居酒屋などの業態はすべて閉店し、讃岐うどん専門店「香の川製麺」のみに事業を絞る決断を下した。これにより約21億円の特別損失を計上し、従業員約130名のうち8割に及ぶ110名程度の希望退職者を募集することになった。

フレンドリー閉店が示す教訓

フレンドリーの閉店には、複数の要因が重なっている。

1. 差別化の失敗 大手ファミレスとの競合において、明確な差別化ポイントを確立できなかった。低価格化や多業態展開は、かえってブランドの個性を薄めてしまった。

2. 多角化の弊害 次々と新業態を開発したものの、各業態への経営資源の分散により、どの業態でも競争優位性を築けなかった。ファミレス「フレンドリー」というコアブランドの強化より、横展開を優先した戦略の誤りが浮き彫りになった。

3. 構造的な収益性の悪化 9期連続の赤字が示すように、コロナ以前から経営基盤は脆弱だった。消費増税や人手不足による人件費高騰なども収益を圧迫していた。

4. コロナ禍という最後の一撃 長年の経営不振で体力を失っていた同社にとって、パンデミックによる売上急減は致命的だった。特に居酒屋業態への依存が高まっていたことが、コロナ禍での打撃を大きくした。

関西ファミレス業界への影響

フレンドリーの閉店は、関西ファミレス業界における一つの時代の終わりを象徴している。1970年代から関西の食文化を支えてきた老舗チェーンの消滅は、地域の外食産業にとって大きな節目となった。

現在、同社は讃岐うどん専門店「香の川製麺」のみを展開し、セルフ式という効率的なビジネスモデルで事業を継続している。ファミレス「フレンドリー」の復活はないが、うどん店として新たな歴史を刻んでいる。

老舗が消える時代の教訓

関西ファミレス「フレンドリー」の完全閉店は、歴史や知名度だけでは生き残れない厳しい外食業界の現実を示している。差別化戦略の曖昧さ、過度な多角化、構造的な赤字体質、そしてコロナ禍という外部ショックが重なり、50年近い歴史に幕を下ろすこととなった。

しかし、この事例から学ぶべきは、コアビジネスの強化と明確なブランドポジショニングの重要性だ。「香の川製麺」という一つの業態に絞り込んだことで、同社は生き残りの道を見出した。外食産業で生き残るためには、時に大胆な事業の選択と集中が必要なのである。

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