2025年、物流×地域共生の新しいモデルが関西に登場
物流施設大手の日本GLPが約1400億円を投じて開発を進めてきた「GLP ALFALINK(アルファリンク)尼崎」が2025年10月末に竣工しました。総延べ床面積約37万平方メートルという関西最大規模の物流施設でありながら、単なる倉庫の枠を超えた「地域に開かれた物流拠点」として、これからの物流施設のあり方を提案する画期的なプロジェクトです。
この施設の最大の特徴は、物流機能だけでなく、カフェ・レストラン、バスケットコートなどのスポーツ施設、さらには尼崎市が運営する地域活性化施設まで備えた複合型物流施設である点。従来の「閉鎖的」なイメージを持たれがちだった物流施設が、地域住民も気軽に訪れられる「みんなのアルファリンク」へと生まれ変わりました。
GLP ALFALINK尼崎の全容:2棟構成の巨大物流プラットフォーム
施設の基本スペック
兵庫県尼崎市道意町に位置する「GLP ALFALINK尼崎」は、古河電気工業の旧工場跡地を活用して建設されました。敷地面積約16万3000平方メートルに南棟と北棟の2棟を配置し、合計延べ床面積約37万平方メートルという規模は、関西の物流施設としては最大級です。
南棟は地上6階建てで延べ床面積約23万8400平方メートルのマルチテナント型物流施設。ダブルランプウェイを備え、各フロアで多様な物流ニーズに対応できる設計となっています。
北棟は延べ床面積約11万平方メートルで、大手企業の専用施設として活用されます。
両棟とも通常より高い天井高を確保し、全館に空調設備を完備。さらに自家消費型の太陽光発電設備を設置し、LEED認証やZEB認証の取得を予定するなど、環境面でも最先端の物流施設となっています。
立地の優位性:1240万人商圏をカバー
「GLP ALFALINK尼崎」の立地は物流拠点として極めて優れています。阪神高速3号神戸線「尼崎西IC」からわずか約300メートル、5号湾岸線「尼崎末広IC」からも約2.5キロメートルという高速道路へのアクセスの良さが特徴です。
大阪駅まで直線距離でわずか9キロメートル、国道43号を利用すれば大阪都心部へ約30分でアクセス可能。さらに大阪港と神戸港という2大貿易港への利便性も高く、関西全域への広域配送拠点として理想的な位置にあります。
日本GLPの調査によれば、この拠点から1時間で配送可能な人口は1240万人以上。日本の総人口の約10パーセントをカバーできる物流の重要エリアに位置しています。
カフェ・レストラン・バスケットコート:地域に開かれた共用施設
「ALCO BRIDGE」に集う飲食・交流スペース
「GLP ALFALINK尼崎」の中核をなすのが、共用棟「ALCO BRIDGE(アルコブリッジ)」です。ここには施設で働く人だけでなく、地域住民も利用できる多彩な設備が集約されています。
カフェ・レストランは、施設内で働く従業員の食事や休憩の場としてはもちろん、地域の方々も気軽に立ち寄れる開放的な空間。Wi-Fiと電源を完備したオープンスペースは、ワークスペースとしても活用でき、地域コミュニティの語らいの場としても機能します。
さらに24時間営業のファミリーマートも併設。お弁当やドリンク、雑貨まで幅広く取り揃え、夜勤のドライバーや作業員にも対応しています。
全国初!自治体運営の地域活性化施設を併設
特筆すべきは、「ALCO BRIDGE」の1階部分に、尼崎市が地域活性化や子育て支援のために運営する施設「ALCO GARDEN(アルコガーデン)」が設置されている点です。これは全国のALFALINKブランドの中でも初めての試みで、自治体と民間企業が連携して地域共生を実現する先進的なモデルとなっています。
バスケットボールもフットサルも!マルチスポーツコート
施設内にはナイター設備を備えた屋外マルチコートも整備されています。バスケットボール、フットサル、テニス、体操、ヨガなど、多様なスポーツに対応可能で、スマホアプリから空き状況の確認と予約ができる仕組みも導入されています。
施設で働く人々の健康増進はもちろん、地域住民にも開放され、コミュニティの交流の場として活用されることが期待されています。広くて開放的な敷地はジョギングや散歩コースとしても最適で、緑豊かなランドスケープが地域を彩ります。
主要テナント:佐川急便の関西最大級中継センターが入居
「GLP ALFALINK尼崎」には、佐川急便をはじめとする大手企業が入居します。
佐川急便は南棟の1~2階約4万3000平方メートルを利用し、関西最大級の大型中継センターを開設。これまで関西で4拠点に分散していた機能を集約し、輸送効率化と品質安定を実現します。2026年以降、順次稼働を開始する予定です。
このほか、食品や飲料などの流通加工と保管業務を行うジョブポートなど複数企業が賃貸借契約を締結しており、報道公開時点で既に満床状態となっています。
働く人のための充実設備:託児所からシャワールームまで
「GLP ALFALINK尼崎」は、物流施設で働くすべての人が快適に過ごせるよう、多様な設備を完備しています。
女性の働きやすさを考慮したパウダールームや専用トイレ、託児所も設置され、子育て世代も安心して働ける環境を整備。コインランドリーやコインシャワー、宅配ロッカーなども完備し、長時間勤務や夜勤にも対応しています。
敷地が広大なため、レンタルサイクルで施設内を移動でき、最寄り駅へのVIP送迎やカーシェアリングも用意。阪神電鉄本線「尼崎センタープール前駅」から徒歩約7分の立地に加え、専用直通バスも運行され、通勤の利便性も確保されています。
大型駐車場も完備し、車通勤にも十分対応。倉庫内は大型シーリングファンと高断熱素材を使用することで快適な作業環境を実現しています。
防災拠点としての機能:地域の安心・安全を支える
物流施設は非常に強い耐震構造を備えており、「GLP ALFALINK尼崎」は地域の避難場所としても指定されています。施設内には緊急時のための食料や水を備蓄し、防災拠点としての役割も担います。
入居企業と一丸となって「もしもの備え」を整え、災害時には地域住民の安全を守る拠点となることを目指しています。
環境への配慮:カーボンニュートラルを実践
「GLP ALFALINK尼崎」が位置する尼崎市臨海地域は、「尼崎21世紀の森構想」の対象区域内にあります。この構想は、魅力と活力ある場所に地域を再生し、環境共生型のまちづくりを目指すもので、同施設もこの理念に沿って開発されています。
自家消費型太陽光発電設備の設置やグリーン電力の購入によるCO2削減、緑豊かな外構計画の実現など、環境負荷の低減に積極的に取り組んでいます。LEED認証やZEB認証の取得を予定し、持続可能な物流施設のモデルケースとなることを目指しています。
ALFALINKブランドの理念:「Open Hub」で共創を促進
「ALFALINK」は日本GLPが展開する地域開放型物流施設のブランドネームです。「Open Hub(開かれた拠点)」をコンセプトに、入居企業同士の共創と、地域・環境との共生を実現することを目指しています。
尼崎の施設は、相模原、流山、茨木に続く全国4番目、関西では2番目のALFALINKプロジェクトです。日本GLPの帖佐義之社長は「物流施設はセキュリティや交通安全の面からどうしても閉鎖的にならざるを得ず、地域住民に親しみを持ってもらえない、嫌悪される施設になりやすかった。あえて地域に開放することで多くの人が集まる場所にしていきたい」と述べています。
尼崎の経済発展の中心へ:「物流」が街を変える
尼崎市南部の工業地帯は、かつて市の経済を支えた重要なエリアでしたが、工場の移転や閉鎖に伴い活性化が課題となっていました。そこに次々と建設される先進的な物流施設が、新しい街の風景を作り出しています。
「GLP ALFALINK尼崎」はその中でも最大規模であり、「集大成的な意味合い」を持つプロジェクトです。物流による雇用創出、地域経済の活性化、そして地域コミュニティの形成まで、多面的な効果が期待されています。
2026年以降の本格稼働に向けて
2025年10月末に竣工した「GLP ALFALINK尼崎」は、2026年以降、各テナントが順次稼働を開始します。佐川急便の大型中継センターは2026年7月の稼働開始を見込んでおり、関西エリアの物流ネットワークに大きな変革をもたらすことが期待されています。
約1400億円という大規模投資によって実現したこの施設は、単なる物流拠点を超えて、地域と共生し、働く人の幸せを追求し、環境にも配慮した「次世代型物流施設」のモデルとなるでしょう。
まとめ:物流施設の新しいスタンダードを尼崎から
「GLP ALFALINK尼崎」は、関西最大規模の延べ床面積約37万平方メートルという規模だけでなく、カフェ・レストラン、バスケットコートなどのスポーツ施設、自治体運営の地域施設まで備えた複合型物流施設として、物流業界に新しいスタンダードを示しています。
「倉庫」という閉鎖的なイメージを打ち破り、地域住民が気軽に訪れ、交流し、憩える「みんなのアルファリンク」として、尼崎の新しいランドマークとなることでしょう。


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