「みんなで大家さん」問題の概要
2025年夏、不動産投資商品「みんなで大家さん」の出資者が深刻な危機に直面している。主力商品「シリーズ成田」の分配金支払い遅延と解約困難により、多くの投資家が資金を引き出せない状況に陥っている。
ファンドの規模、出資金の詳細、年利、そして以前から指摘されていた問題点についてシラベテミタ!
ファンドの規模と運営体制
運営会社と事業規模
「みんなで大家さん」は、大阪市北区に本社を置く都市綜研インベストファンド株式会社が運営する不動産投資商品である。同社は不動産小口化商品を通じて、個人投資家から資金を集め、不動産事業に投資している。
2023年時点で、みんなで大家さんは2,000億円以上の資金を集めたとされており、出資残高は2025年3月時点で約1,500億円に上ると報告されている。これは国内の不動産クラウドファンディング業界でも屈指の規模となっている。
投資商品の仕組み
みんなで大家さんは、1口100万円から投資可能な不動産小口化商品として展開されている。投資家は共同で不動産を所有し、その賃料収入や売却益を分配金として受け取る仕組みだ。
出資金の規模と投資家数
具体的な出資規模
現在判明している情報によると、みんなで大家さんの出資残高は以下の通り
- 2025年3月時点:約1,500億円
- 2023年:2,000億円以上(最盛期)
特に問題となっている「シリーズ成田」は、2021年から2025年まで18回に分けて出資者を募集しており、同ファンドだけでも数百億円規模の資金が集まったとみられる。
投資家への影響規模
2024年6月の行政処分発表後、わずか24時間で約400名、28億円もの解約申し込みが殺到したことからも、同商品の投資家数の多さがうかがえる。1口100万円からの投資であることを考慮すると、数万人規模の投資家が関わっている可能性がある。
年利と分配金の実態
高利回りの魅力と実態
みんなで大家さんの最大の特徴は、年利7.0%前後の高い分配率である。特にシリーズ成田では、年間7%の分配金が2ヶ月ごとに支払われるという魅力的な条件で投資家を集めていた。
この高利回りは以下の要因によって実現されているとされていた:
- 成田空港周辺という好立地への投資
- 大規模開発による将来的な資産価値向上
- 賃料収入以外の開発利益の還元
分配金支払い遅延の実態
しかし、2025年7月31日に予定されていたシリーズ成田の分配金支払いが突然遅延すると発表された。出資者には当日朝になって支払い遅延の通知が届き、多くの投資家が困惑する事態となった。
現在も具体的な支払い再開の見通しは示されておらず、投資家の不安が高まっている状況だ。
以前から指摘されていた「怪しい」とされる理由
1. 不自然に高い利回り
年利7%という分配率は、一般的な不動産投資や定期預金と比較すると非常に高い水準である。この高利回りが「持続可能なのか」という疑問が投資専門家の間で度々指摘されていた。
2. 開発プロジェクトの進捗不明
シリーズ成田の投資対象である成田空港周辺の土地開発について、具体的な工事進捗や完成予定が不透明であることが問題視されていた。「資産評価2兆円を超える街を目指す」という壮大な計画に対し、実際の開発状況との乖離が指摘されていた。
3. 収益構造の不透明性
通常の土地開発プロジェクトでは、開発完了後の売却益を分配するのが一般的だが、シリーズ成田では開発中にも継続的に分配金が支払われていた。この収益構造が「どこから資金が出ているのか」という疑問を生んでいた。
4. 広告宣伝への過度な投資
テレビCMやネット広告で大々的に宣伝していることから、「広告費にかなりの資金を投じているのではないか」という指摘があった。特に時代劇風のCMは印象的だったが、その制作費や出稿費が投資家の資金から捻出されている可能性が懸念されていた。
5. リスク説明の不十分さ
投資商品としてのリスク説明が不十分であるという指摘も多く見られた。高利回りの裏にあるリスクについて、投資家が十分に理解していない状況が問題視されていた。
2024年6月の行政処分とその影響
行政処分の内容
2024年6月、東京都と大阪府から行政処分を受けたことが、現在の問題の発端となった。行政処分の具体的内容には以下が含まれる
- 業務改善命令
- 新規募集の一時停止
- 適切な情報開示の要求
処分後の混乱
行政処分の発表を受けて、投資家の不安が一気に高まった。
- 24時間で約400名が解約申請
- 解約申込み総額は28億円に達する
- 運営会社の資金繰りが急速に悪化
現在の解約困難な状況
解約申請の殺到と停止
行政処分後の解約申請殺到により、運営会社は一時的に解約受付を停止せざるを得なくなった。現在は条件付きで解約を再開しているものの、実際の返金は大幅に遅れている状況だ。
投資家の困窮
多くの投資家が以下のような困難に直面している:
- 解約申請をしても実際の返金がない
- 分配金の支払いも停止
- 資金が完全に凍結状態
- 将来的な回収見通しが不明
運営会社の対応
運営会社である都市綜研インベストファンドは、公式サイトで社長による謝罪動画を公開し、資金調達計画を発表しているが、具体的な解決策や回復時期については明確にしていない。
投資家が今すべきこと
みんなで大家さんの問題は、高利回り投資商品のリスクを如実に示している。現在同商品に投資している方、また今後類似の投資を検討している方は以下の点に注意すべき
- 高利回りには必ずリスクが伴うことを理解する
- 投資商品の収益構造を十分に把握する
- 運営会社の財務状況を定期的にチェックする
- 分散投資を心がけ、一つの商品に集中投資しない
- 行政処分の有無を事前に確認する
投資は自己責任であることを十分に理解し、リスクとリターンのバランスを慎重に判断することが、資産運用において最も重要なポイントと言えるだろう。


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