1967年大阪府生まれの近藤太香巳は、高校を2回中退し、その後フリーターのような生活を送っていたという異色の経歴を持つ。しかし、1987年、わずか19歳で50万円を元手に創業した日本電機通信(後のネクシィーズ)は、その後、東証一部に上場する企業になる・
2度の高校中退からの起業、2社を上場させてフジテレビ再建のキーマンとなっている近藤太香巳をシラベテミタ!
第一章:テルミーシステムの革新
電話加入権問題への着眼
1980年代後半、日本では固定電話を設置するのに約7万円という高額な電話加入権が必要でした。この社会的な課題に目をつけた近藤は画期的なソリューションを考案します。
「月2000円の積立金だけで電話が使えて、満額になれば加入権が自分のものになる。途中で不要になれば6万円で当社が買い取る」という「テルミーシステム」を開発しました。
このシステムは、高額な初期費用で電話利用を諦めていた一人暮らしの学生にとって、新たな選択肢を提供し、爆発的な支持を獲得しました。特に若年層や資金力の乏しい個人事業主などから圧倒的な支持を得て、事業は急速に拡大していく。
第二章:携帯電話事業への進出
時代の転換点を捉える
1990年代に入り、携帯電話の普及が本格化する中、近藤は再び革新的な着眼点を示します。携帯電話の利用に電話加入権が必要であった当時、若者を携帯電話の購買層にするため、携帯電話にもこの「テルミーシステム」を応用し、初期費用無料で携帯電話を持てる店舗「テルミープラザ」を創業しました。
このビジネスモデルにより、四国・九州地域において携帯電話保有者増に努め、更なる事業拡大のため東京進出を果たすこととなりました。
東京進出での試練
しかし、東京進出は順風満帆ではありませんでした。父親の喫茶店で勤めていた男性から、東京に進出してビジネス展開しようと持ちかけられ「テルミープラザ」をスタートさせるも、結局、その男性に騙されビジネスノウハウを盗まれる形になってしまう。正式な業務契約を締結していなかったために「テルミープラザ」から退去を余儀なくされたという苦い経験をします。
この挫折は近藤にとって重要な学習機会となり、後の厳格なリスク管理体制の構築につながりました。
第三章:ヤフーBB事業での大躍進
インターネット革命への参戦
2000年前後、日本でブロードバンドインターネットが本格的に普及する中、近藤は再び時代の波を的確に捉えます。「ヤフーBB」販売などを手掛け業績を拡大させ、ネクシィーズは新たな成長ステージに入りました。
ヤフーBBの販売代理事業では、これまで培ったダイレクトマーケティングのノウハウと全国展開の経験を活かし、短期間で業界トップクラスの販売実績を達成しました。
この成功により、同社は通信インフラ普及の重要な担い手として業界での地位を確立しました。
第四章:株式上場への道のりと挫折
史上最年少での東証一部上場
02年にはナスダックジャパン(現ヘラクレス)に上場。04年には創業社長としては当時最年少の37歳で東証一部上場を果たすという快挙を成し遂げました。
この上場成功は、日本のベンチャー企業界に大きな衝撃を与えました。高校中退から19歳での創業、そして37歳での東証一部上場という経歴は、多くの若手起業家に勇気と希望を与える象徴的な存在となりました。
第五章:ネクシィーズZEROの革新
ゼロ円男のビジネスモデルの進化
電話加入権のテルミーシステムから始まり、携帯電話、ヤフーBB、スカイパーフェクトTV、WOWなど、初期投資ゼロ円というスキームで世の中に普及させていきた近藤太香巳。
近藤は新たなビジネスモデル「ネクシィーズZERO」を展開し、再び業界の注目を集める。「ゼロ円男」として知られる社長・近藤太香巳が、全国の中小企業が抱える設備投資やランニングコストの課題に、”ゼロ円で完封!”というインパクトあるメッセージを投げかけるサービスです。
このサービスは、LED照明やOA機器などの設備を初期費用ゼロで導入できるソリューションを提供しており、中小企業の経営負担軽減に大きく貢献しています。
テルミーシステムの現代版
ネクシィーズZEROは、創業時のテルミーシステムの思想を現代に蘇らせたものと言えます。「初期費用の負担なくサービスを利用できる」という基本コンセプトは一貫しており、近藤の経営哲学の核心部分が表れています。
第六章:フジテレビ改革への挑戦
メディア業界への新たな挑戦
2025年に入り、近藤は新たな挑戦を開始しました。フジテレビの放送・メディア事業の改革についての提言を行い、メディア業界にも進出する姿勢を示しています。
ネクシーズZERO初のテレビCM『ゼロ円で完封篇』を、2025年4月より琉球放送およびフジテレビにて放映することで、フジテレビとの関係を深化させています。
フジテレビとの戦略的関係
フジテレビについては視聴者・制作者・出演者・広告主との向き合い方、主要メディアとしての役割と責任を正しく捉え直しという観点から、近藤はメディア業界の変革にも積極的に関与する姿勢を示しています。
この取り組みは、単なる広告出稿にとどまらず、メディア業界全体のデジタル化推進や経営効率化に貢献する可能性を秘めています。
第七章:経営哲学と未来への展望
独自性を重視するビジネス創造
近藤は3つの要素が必要だと言い切る。1つ目は「世の中はこうだ」。2つ目は「世の中の課題はこうだ」。3つ目は「私たちなら(その課題を)こう解決できる」ということです。この3つが、自社のキラーカード、つまり独自性になってくると語っています。
この経営哲学は、テルミーシステムの時代から一貫して貫かれており、社会課題の発見と独自性のあるソリューション提供という近藤のビジネス創造の核心を示しています。
ナンバーワンを目指す戦略
あえてもう一つ必要なことを言うならば、やはりナンバーワンになることを目指す、それが大事なのではないかと思いますという信念のもと、近藤は常にマーケットリーダーシップの獲得を目指しています。
社会課題解決への使命感
日常には「何でもっとこうしないんだろう?」「世の中のこれ、おかしいよね?」ということがいっぱいあります。その疑問や違和感を、その業界の人に問いかけることで、新たなビジネス機会を創出するという手法は、近藤の事業創造の原点とも言えます。
結章:反骨の起業家精神
近藤太香巳は高校中退という学歴的ハンディキャップを乗り越え、テルミーシステムで革新を起こし、携帯電話事業で成長を加速させ、ヤフーBB事業で大躍進を果たしました。
現在はネクシィーズZEROという新たなビジネスモデルで中小企業支援に取り組んでいます。さらに、フジテレビ改革への関与という新たな挑戦にも着手しており、その向上心と革新性は衰えることを知りません。
「まだない常識を、次のあたりまえに。」を企業理念に独自のビジネスモデルで事業を展開している近藤太香巳は、日本のベンチャー企業界の象徴的存在として、今後も多くの起業家に影響を与え続けることでしょう。
彼の、「逆境こそが最大の成長機会である」ことを証明する生きた教材であり、次世代の起業家たちにとって永続的な道標となる貴重な財産なのです。


コメント