2025年の日本において、生活保護制度は大きな問題となっている。
長引く物価高と経済格差の拡大により、生活保護申請件数は過去最多水準で推移し続けている一方で、外国人受給者をめぐる議論も活発化している。
最新の統計データに基づき、2025年の生活保護世帯増加の実態と、外国人受給者の現実についてシラベテミタ!。
生活保護世帯が5年連続増加の深刻な現実
2025年:過去最多水準が継続
厚生労働省の最新統計によると、2025年2月時点で生活保護の申請件数は前年同月比で「3.6%」増加し、1万9078件となっている。年間ベースで見ると、2024年(1~12月)の生活保護申請件数は対前年比0・32%増の25万5897件で微増だったものの、5年連続で増加しており、増加トレンドが確実に定着している。
この数字は、2023年1〜12月の生活保護申請件数が、現行の調査方式になった13年以降で最多の25万5079件を更新しており、2025年も同水準での高止まりが予想される。
受給者数の推移と構造変化
生活保護受給者数について、2024年5月時点で生活保護の申請件数は約23,952件で、前年同月と比較すると約1,272件増加しており、5.6%の増加率を示している。これは単純な件数増加を超えて、日本社会の構造的な変化を反映している。
受給世帯の特徴的変化:
- 高齢者世帯の継続的増加(90万世帯超)
- 現役世代の申請増加(就労世帯の貧困拡大)
- 単身世帯の比率上昇
- 医療扶助需要の拡大
外国人生活保護受給者の実態
統計で見る外国人受給の現状
厚労省によると、生活保護を受ける外国人世帯(世帯主が日本国籍を持たない世帯)は、総受給世帯の約2.9%を占めている。
具体的な数字を見ると、外国人の方が生活保護を受給しやすいという情報もあるが、在留外国人の保護率は1.93%(2023年度の1カ月平均)。日本人を含む全体の保護率は1.62%(同)で大差はないという現実がある。
受給対象となる外国人の範囲
外国人の生活保護受給については、多くの誤解が存在する。厚労省によると、生活保護が利用できるのは、そもそも日本に住む全ての外国人ではない。永住者や定住者など国内での活動制限がない在留資格を持つ人に限られる
受給可能な在留資格:
- 永住者
- 定住者
- 永住者の配偶者等
- 日本人の配偶者等
こうした資格を持つのは、162万70人(2024年末時点)で在留外国人全体の4割程度。これ以外の技能実習生や留学生、経営管理などの在留資格では生活が困窮したとしても、利用対象にはならない
生活保護制度をめぐる誤解と現実
「外国人優遇」説の検証
SNSやメディアで流布されている「外国人優遇」説について、データに基づく検証が必要である。生活保護目当ての外国人が日本に殺到といった情報もあるが、短期に滞在しただけの利用は制度上あり得ない。
実際の制度運用では
- 在留資格の厳格な確認
- 本国への照会・調査
- より厳しい就労指導
- 帰国支援の優先検討
これらの措置により、外国人への生活保護支給は日本人以上に厳格に運用されているのが実態である。
生活保護法の法的根拠
生活保護法は日本国民を対象とした制度であるが、外国人への支給は行政措置として行われている。これは1954年の社会保障制度審議会答申に基づく運用であり、法的義務ではなく行政の裁量による措置である。
生活保護世帯増加の背景
経済的要因
物価上昇の直撃
- 食料品価格の継続的上昇
- エネルギー価格の高騰
- 住居費の負担増加
賃金上昇の限界
- 非正規雇用者の賃上げ停滞
- 中小企業での賃上げ実現困難
- 年金給付水準の実質的低下
社会構造的要因
高齢化の進展 90万世帯を超える高齢者世帯の受給は、日本の急激な高齢化を反映している。特に単身高齢者の増加により、家族による支援が期待できない高齢者が増加している。
就労環境の悪化 現役世代でも、非正規雇用の拡大、長時間労働による健康悪化、精神的疾患の増加などにより、生活保護に頼らざるを得ない世帯が増加している。
社会保障制度の綻び 雇用保険、年金制度、医療保険制度など、既存の社会保障制度では対応できない「制度の隙間」に落ちる人々が増加している。
外国人受給者増加の要因
在留外国人数の増加
令和6年6月末現在における在留外国人数は、358万8,956人となり、前年末(341万992人)に比べ、17万7,964人(5.2%)増加している。在留外国人の絶対数が増加すれば、一定の割合で生活困窮者が発生するのは当然の結果である。
長期滞在者の高齢化
特に韓国・朝鮮系の特別永住者については、戦後から70年以上が経過し、高齢化が進んでいる。日本人と同様の高齢化による生活困窮が発生している。
経済的統合の不完全さ
外国人労働者の多くが、言語の壁、文化的差異、雇用差別などにより、経済的統合が不完全な状態にある。特に景気悪化時には、外国人労働者が最初に雇用調整の対象となりやすい。
まとめ
2025年の生活保護制度をめぐる状況は、確かに厳しい現実を示している。申請件数の5年連続増加は、一時的な現象ではなく、これからも増加の一途を辿る。
外国人受給者については、感情的な議論ではなく、データに基づく冷静な分析が必要である。受給率で見れば日本人と大差なく、制度の悪用という指摘は統計的根拠に乏しい。むしろ、在留外国人数の増加に伴う自然な現象として捉えるべきである。
重要なのは、生活保護制度を「最後のセーフティネット」として機能させながら、より根本的な貧困対策、就労支援、社会保障制度の改革を進めることである。外国人問題を含め、建設的な議論により、持続可能で公正な社会保障制度の構築を目指すべきである。
生活保護世帯の増加は、個人の問題ではなく社会全体の課題である。データに基づく客観的な分析と、包括的な政策対応により、すべての人が尊厳ある生活を営める社会の実現を目指すことが求められている。


コメント