日本のコンビニは、現代の小売業界において最も成功した業態です。スーパーより割高ですが、利便性、24時間営業、店舗数の多さなどで、気づいたら1日1回はコンビニを利用している。そんな人は多いのではないでしょうか。
現代人にとって「コンビニはなくなてならない存在」になっています。
そんなコンビニの中でも圧倒的なシェアを誇るセブンイレブン。セブンイレブンがどうやって店舗数を増やしていったのか、コンビニ業界のシェア状況と合わせてシラベテミタ!
コンビニ業界の現状とシェア率
2024年のコンビニ業界における店舗数ランキングは、1位セブンイレブン21,592店舗、2位ファミリーマート16,259店舗、3位ローソン14,643店舗 となっており、この3社で業界の大部分を占めています。上位3社(セブンイレブン、ファミリーマート、ローソン)の店舗数シェアは2024年1月時点で90.4% に達しており、寡占化が進んでいることが分かります。
コンビニ業界は2005年から2024年にかけて約1.6倍に成長し、2024年には11.8兆円に到達 しており、小売業界における重要性がますます高まっています。特に注目すべきは、セブン-イレブンが一貫してトップシェア(45%以上)を維持し、収益性・規模ともに他社を上回っています。
ランチェスター戦略の基本理論
ランチェスター戦略とは、「集中化×差別化」で特定領域のトップ、ナンバー1を目指す戦略でありシンプルなものです。自社が勝てる一点を見つけ出し、そこに経営資源を集中させ、差別化を図る という戦略理論。
この戦略は、第一次世界大戦中にフレデリック・W・ランチェスターが航空機の損害状況を研究することから始まり、後にビジネス戦略として応用されました。ランチェスター戦略には「強者の戦略」と「弱者の戦略」の二つの基本パターンがあり、市場におけるポジションに応じて使い分けることが重要です。
弱者の戦略では、局地戦、一騎討ち戦、接近戦、一点集中などの原則が重要であり、限られた経営資源を特定の地域や分野に集中することで強者に対抗します。一方、強者の戦略では、広域戦、確率戦、遠隔戦、総合力戦といった原則に基づき、総合力を活かして市場全体での優位性を確立します。
セブンイレブンのランチェスター戦略
セブンイレブンが最も成功したランチェスター戦略の実践例は、1990年代の関西圏への進出です。1990年代の関西圏においては、ローソンに一歩劣る「弱者」でした。そこで、セブンイレブンでは「1点集中」という「弱者の法則」を実践しました。販売地域を細分化し、大阪という限定された地域に資本を集中させ、驚異的なスピードで新規店舗を出店し続けたのです。
この時の「ドミナント戦略」は、セブンイレブンにとって大阪という地域に絞り込んで経営資源の投下を集中的に行い、出店攻勢を掛けることでローソンをはじめとする他のコンビニエンスストアを凌駕した という成功例として知られています。
セブンイレブンの戦略で特に重要なのが、「ランチェスター市場占有率の消費の爆発点」という概念で、セブンイレブンは常に一つの重要な目標に、ランチェスター地域戦略における市場占有率26%以上というものを追い続けてきました 。これは特定エリア内でのシェアが26%を超えると、消費者の認知度や利用頻度が急激に高まるという理論に基づいています。
ドミナント戦略との関係性
セブンイレブンのランチェスター戦略は、ドミナント戦略と密接に関連しています。セブンイレブンの経営方針は「変化への俊敏な対応」です。創業以来「顧客の要望にいち早く応える商品を並べることが最も大切」と考えたセブンイレブンは、ドミナント戦略を実施し、顧客の要望に合った商品を店舗に並べることができるように物流システムを整えました。
ドミナント戦略とは、特定地域に集中的に店舗を出店することで、その地域での圧倒的なシェアを獲得する戦略です。セブンイレブンは、この戦略により以下のようなメリットを実現しました:
- 物流効率の最大化:近距離に複数店舗があることで、配送コストを削減し、頻繁な商品補充が可能になりました。
- ブランド認知度の向上:特定地域での露出頻度が高まることで、消費者の記憶に強く残り、第一選択肢となりやすくなりました。
- 規模の経済性:地域内での店舗密度が高まることで、広告宣伝費や管理コストを効率化できました。
- 競合への参入障壁:高密度出店により、競合他社が同地域に参入することを困難にしました。
セブンイレブンの成功要因分析
セブンイレブンがランチェスター戦略を成功させた背景には、いくつかの重要な要因があります。
情報システムの活用 セブンイレブンは早期からPOSシステムを導入し、顧客の購買データを詳細に分析することで、需要予測の精度を高めました。これにより、限られた店舗スペースで最大限の売上を実現する商品構成を可能にしました。
サプライチェーンの最適化 時間帯ごとに小分けした製品を店舗に届けることが可能となり、顧客のニーズに応えた商品展開で規模を拡大しました。この精密な物流システムにより、商品の鮮度管理と機会損失の削減を両立させました。
フランチャイズシステムの効率化 セブンイレブンは、フランチャイズ加盟店との情報共有を密にし、本部と店舗が一体となった経営を実現しました。これにより、戦略の実行スピードと精度が大幅に向上しました。
継続的なイノベーション 商品開発、サービス開発、店舗運営方法など、あらゆる面で継続的な改善を行い、競合との差別化を図り続けました。
現代におけるランチェスター戦略の課題
一方で、現代のビジネス環境では新興企業や未知の競合相手が急速に台頭することもあり適用が難しくなる可能性があります。
デジタル化の進展により、従来の地理的制約が薄れつつあり、ECサイトや配達サービスなどの新たな競合が登場しています。また、消費者のライフスタイルの多様化により、一つの戦略だけでは対応が困難になってきています。
それでも、セブンイレブンは現在も業界トップの地位を維持しており、ランチェスター戦略の基本原則である「集中と差別化」の有効性は依然として高いと言えるでしょう。
まとめ
コンビニ業界におけるセブンイレブンの成功は、ランチェスター戦略を効果的に実践したことが成功の要因になっている。
現在の市場シェア状況を見ても、上位3社(セブンイレブン、ファミリーマート、ローソン)で90%以上を占めており、その中でもセブンイレブンが45%以上のトップシェアを維持していることは、ランチェスター戦が成功したことが物語っている。


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