介護施設で無断欠勤をする職員が無断欠勤をすると困ります。
早出、日勤、遅出、夜勤とシフトで施設は動いているので、複数回、連絡を試みても「連絡がつかない」場合はどうしたらいいか。
日本の法律上、無断欠勤をする職員をすぐに解雇することはできません。数日間の無断欠勤であれば、解雇することは難しく段階を踏まないといけない。
無断欠勤する職員の対応、解雇するための日数の目安をシラベテミタ!
無断欠勤をする人の特徴
責任感の欠如
- 約束や義務を軽視する
- 他人への影響を考えない
- 「なんとかなる」という楽観的すぎる考え方
コミュニケーション能力の不足
- 困った状況を相談できない
- 連絡を取ることへの心理的ハードル
- 問題を先送りする習慣
無断欠勤による解雇するための考え方
無断欠勤がどれだけ続くと解雇になるかは、実は法律で明確に定められた日数はありません。労働契約法第16条により、解雇は「客観的に合理的な理由」と「社会通念上相当」であることが求められ、無断欠勤の場合も個別の事情を総合的に判断して決定されます。
一般的な日数の目安
就業規則による規定
多くの企業の就業規則では、以下のような規定が設けられています:
2週間(10~14日)連続無断欠勤
- 最も多く見られる規定
- 労働者の生死不明も含む重大な事態と判断される期間
1ヶ月(20~30日)連続無断欠勤
- より慎重な企業が設定する期間
- 労働者への配慮を重視した規定
3日~1週間の短期間
- 一部の企業で設定
- ただし、裁判では短すぎると判断されるケースが多い
裁判例による判断基準
解雇が有効とされた事例
14日間の連続無断欠勤(東京地裁平成11年判決)
- 事前の指導・警告があった
- 連絡手段があったにもかかわらず一切の連絡なし
- 解雇有効と判断
21日間の連続無断欠勤(大阪地裁平成15年判決)
- 過去にも無断欠勤の前歴
- 会社からの連絡に応じなかった
- 解雇有効と判断
解雇が無効とされた事例
10日間の連続無断欠勤(横浜地裁平成12年判決)
- 初回の無断欠勤
- 家庭の事情による
- 期間が短すぎるとして解雇無効
1ヶ月の無断欠勤(東京地裁平成13年判決)
- うつ病による症状
- 医師の診断書が後日提出された
- 病気を理由とする無断欠勤として解雇無効
解雇が認められるための要件
1. 事前の指導・警告
- 口頭または書面による注意指導
- 改善の機会を与えたかどうか
- 懲戒処分の段階的適用
2. 連絡手段の確保
- 会社側からの連絡努力
- 緊急連絡先への確認
- 安否確認の実施
3. 無断欠勤の態様
- 連続性(継続的か断続的か)
- 頻度(過去の前歴の有無)
- 理由の正当性
4. 業務への影響度
- 担当業務の重要性
- 代替要員の確保状況
- 顧客や同僚への影響
特別な考慮事項
病気・心身の不調
- うつ病や適応障害等の精神疾患
- 突発的な疾病や事故
- 後日診断書が提出された場合の扱い
家庭の事情
- 家族の介護・看護
- 子どもの急病
- 家庭内暴力からの避難
労働者の属性
- 勤続年数(長期勤続者への配慮)
- 過去の勤務態度
- 年齢や家族構成
解雇を避けるための企業の対応
段階的対応の重要性
- 初期対応:電話・メール等による安否確認
- 中期対応:書面による出勤督促、面談の実施
- 最終対応:懲戒委員会での検討、解雇予告
労働者への配慮
- カウンセリング制度の紹介
- 休職制度の案内
- 配置転換等の検討
実務上のアドバイス
労働者側の対応
- できる限り早期の連絡
- 理由の説明と改善意欲の表明
- 必要に応じて診断書等の提出
企業側の留意点
- 就業規則の明確な規定
- 一律的な適用ではなく個別事情の検討
- 労働基準監督署への事前相談
まとめ
無断欠勤による解雇については、一律に「○日で解雇」という基準はなく、2週間程度が一つの目安とされています。
最終的には個別の事情を総合的に判断して決定されます。企業は段階的な対応を心がけ、労働者は可能な限り早期の連絡と事情説明を行うことが重要です。
疑問がある場合は、労働基準監督署や労働問題に詳しい弁護士に相談することをお勧めします。


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