日本の離婚件数は年間約20万件。最も深刻な社会問題の一つが養育費の不払いである。厚生労働省の統計によれば、ひとり親家庭のうち養育費を受け取っているのは3割に満たない現実がある。
養育費の不払い時の取り立てと影響についてシラベテミタ!
養育費不払いの深刻な現状
統計が示す厳しい実態
厚生労働省が2021年度に実施した統計によると、ひとり親家庭のうち養育費を受け取っているのは3割に満たない。実際に支払われた平均額は母子家庭で月5万485円、父子家庭で2万6992円だった。
この数字の背景には、養育費の取り決め自体がなされないケースが多いという問題がある。協議離婚の際に養育費について具体的な取り決めをする夫婦は多くない。
さらに、取り決めがあったとしても離婚等の際に養育費について取り決めた件数は46.7%と半数以下という現状がある。
取り決めをしない理由としては、「相手と関わりたくない」が31.4%、「相手に支払う能力がないと思った」が20.8%、「相手に支払う意思がないと思った」が17.8%の3つが上位を占める。
取り決めをしても養育費の支払いを滞る理由
経済的理由
最も表面的な理由として挙げられるのが経済的困窮である。転職、失業、収入減少、再婚による新たな家族の生活費負担などが重なり、「払いたくても払えない」状況に陥る。しかし、これが本当の理由である場合と、単なる口実である場合を区別することは難しい。
心理的・感情的理由
元配偶者への怒りや恨みが持続し、「なぜあの人のために金を払わなければならないのか」という感情が支配的になる。特に、離婚の原因が相手の浮気や裏切りだった場合、この傾向は強くなる。
子どもとの面会交流の問題も大きな要因となる。面会交流が拒否されたり制限されたりすると、「子どもに会えないのに金だけ払うのは不公平だ」という感情が生まれ、養育費の支払い拒否につながる。
新生活への適応
再婚により新たな家族が形成されると、限られた収入の中で新しい家族を優先したいという気持ちが強くなる。新しい配偶者から前の家庭への支払いに対する不満や圧力を受けることもある。
時間の経過による責任感の薄れも重要な要因だ。離婚直後は子どもへの愛情と責任感から支払いを続けていても、年月が経つにつれて日常から子どもの存在が薄れ、義務感が希薄になってしまう。
制度への無理解
法的な支払い義務についての理解不足も問題となる。「離婚したら関係が終わる」「親権がないから責任もない」といった誤った認識により、養育費支払いの法的義務を軽視する。
また、強制執行などの法的措置についての知識不足から、「払わなくても大丈夫」という甘い考えを持つケースもある。
男性特有の心理的要因
養育費を払わない人の多くが男性であることから、男性特有の心理的要因も指摘される。プライドの問題として、離婚によって傷ついた自尊心から、元妻に対して経済的な負担をかけることで優位に立とうとする心理や、逆に「負けた」感情から支払いを拒否する場合がある。責任の転嫁として、養育費の問題を元妻の「金銭欲」と捉えたり、「母親が働けばいい」という責任転嫁を行ったりすることもある。
現実逃避と合理化
多くの場合、養育費を払わない人は自分の行動を正当化するための合理化を行う。「子どもは元妻が育てているから大丈夫」「児童手当や公的支援があるから問題ない」「いずれ子どもが大きくなれば自分で稼げる」といった理由づけにより、自分の責任を軽減しようとする。また、現実逃避として養育費の問題そのものを考えないよう意識的・無意識的に避ける行動も見られる。連絡を取らない、住所を変更する、転職を繰り返すなどの行動の背景には、この心理が働いている場合が多い。
まとめ
養育費の支払いは法的義務である以前に、親としての道徳的責任であるが、何らかの理由で相手方から養育費の支払いを受けていない人が7割以上いる。子どものためにも離婚後も夫婦は分担し合って養育するのが理想だが、現実は不払い、逃げ得が許されている。
法定養育費制度が導入されて養育費の支払いは改善されないのが現状。子どもを引き取った親は養育費はあてにせず自分の力で育てるしかない。


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