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【トー横の闇】19歳女性をカンボジア特殊詐欺拠点へ 「海外で稼げるよ」と誘った山尾輝斗容疑者の手口

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事件
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東京・歌舞伎町の「トー横」に出入りしていた当時19歳の女性が、海外の特殊詐欺拠点に送り込まれていたとみられる事件が明らかになりました。警視庁特別捜査課は、住居不定で指定暴力団・住吉会傘下組織の組員である山尾輝斗容疑者(26)を、被拐取者国外移送などの疑いで再逮捕しています。女性は「海外で稼げるよ」という言葉をきっかけに渡航し、約9カ月後にマレーシアの拠点から逃げ出して現地の日本大使館に保護されました。本記事では、現時点で報じられている事実関係を整理して解説します。

※山尾容疑者はあくまで「容疑者」であり、警視庁は認否を明らかにしていません。断定的な表現は避け、報道内容に基づいて記載しています。

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山尾輝斗容疑者とはどんな人物か

山尾輝斗容疑者は26歳、住居不定で、指定暴力団・住吉会の傘下組織に所属する組員とされています。今回の再逮捕容疑は「所在国外移送誘拐」と「被略取者等所在国外移送」の2つです。捜査関係者によると、山尾容疑者は「トー横」や新宿区立大久保公園周辺に集まる若者らを東南アジアの拠点へ送り込み、かけ子(特殊詐欺の電話役)として働かせる、いわば「リクルーター」のような役割を担っていたとみられています。警視庁は、詐取金が暴力団の資金源になっている可能性もあるとみて実態解明を進めています。

山尾容疑者はこれまでに男女4人を海外へ移送する目的で誘拐した容疑などにより警視庁に4回逮捕されており、今回の19歳女性の件で5回目の逮捕となりました。なお、別の被害者(30代男性)に関する事件では既に「所在国外移送目的誘拐罪」で起訴されており、その件では「被告」という立場になっています。今回の19歳女性の件はあくまで新たな容疑での再逮捕であり、現時点では「容疑者」としての扱いです。

19歳女性が「海外で稼げるよ」と誘われた経緯

女性は海外での仕事を探していたところ、知人男性から山尾容疑者を紹介されたとされています。2025年10月上旬ごろ、東京都墨田区内の飲食店で「海外で稼げるよ。1週間で500万円稼いでいる子もいる。明日にでも行こう」などと持ちかけられたと報じられています。

その後、女性は荒川区内のホテルに待機するよう指示され、翌日には羽田空港発の飛行機でマレーシア・クアラルンプール国際空港へ移送されました。ここを経由地としてカンボジアの特殊詐欺拠点へ向かわされたとみられています。女性は渡航前に仕事内容を知らされておらず、詐欺に加担させられるとは知らないまま渡航したとされています。

カンボジア・マレーシアの拠点を転々と移動

女性はカンボジアとマレーシアにまたがる計4カ所の詐欺拠点を移動しながら、いわゆる「かけ子」をさせられていたとされています。かけ子とは、警察官や金融機関職員などを装って高齢者らに電話をかけ、現金をだまし取る特殊詐欺の中でも、被害者に直接電話をかける役割を指します。日本国内の捜査が及びにくい海外に拠点を置くことで、摘発を逃れようとする詐欺グループの典型的な手口の一つとされています。

9カ月後、日本大使館に保護されるまで

女性は2026年7月ごろ、マレーシアの拠点から逃げ出し、現地の日本大使館に保護されたことでこの事件が発覚しました。渡航から約9カ月にわたって拠点を転々とさせられていたことになります。女性が稼がされた金は山尾容疑者側に送金されており、女性自身には報酬が支払われていなかったとみられています。

なぜ「トー横」が接点になったのか

今回の事件で注目されるのは、女性が山尾容疑者を紹介された経緯です。歌舞伎町の「トー横」周辺で知り合った人物を介して山尾容疑者にたどり着いたとされ、これまでの一連の逮捕でも「トー横」周辺で知り合った男女が標的になっていたことが共通しています。

別の被害者とされる30代男性のケースでは、「これから俺とずっと一緒にいることになるよ」「普通の仕事で、月50万円は稼げる」などと持ちかけられ、パスポート取得のために各地を連れ回された末にカンボジアへ渡航させられ、現地の中国籍とみられる指示役から詐欺電話のマニュアルを渡されて初めて実態に気づいたと話しているといいます。プノンペンの拠点には中国籍や韓国籍など合わせて200人ほどがいたとも報じられており、国境をまたいだ大規模な詐欺組織の存在がうかがえます。

なお、山尾容疑者が若者を勧誘していたとみられる場所は「トー横」だけではなく、新宿区立大久保公園周辺も含まれていたと伝えられています。居場所や仕事を求める若者が集まりやすいこうした場所が、海外詐欺拠点への“入口”として利用されていた疑いが強まっています。

高収入をうたう海外求人の危険なサイン

今回の事件から見えてくるのは、「海外で稼げる」「短期間で高収入」といった誘い文句の危険性です。次のような特徴が見られる求人・誘いには特に注意が必要とされています。

  • 仕事内容が渡航直前まで具体的に説明されない
  • 渡航費や宿泊費をすべて相手側が負担すると強調してくる
  • 「明日にでも行こう」など、即断即決を迫ってくる
  • パスポートを取得させたうえで、現地で回収・管理しようとする
  • 知人を介した紹介で、直接雇用主と接触できない

実際に本人が想定していなかった詐欺の片棒を担がされ、電話をかける、現金を受け取る、ATMから引き出すといった行為に関与させられれば、たとえ本人にだまされた自覚があっても、日本国内では詐欺の実行犯として立件される可能性がある点も見過ごせません。

今後の捜査で注目されるポイント

警視庁は、山尾容疑者が今回の女性以外にも複数人を海外の特殊詐欺拠点に送り込んでいた疑いがあるとみて、引き続き実態解明を進めるとみられます。今後の捜査では、以下のような点が焦点になりそうです。

  • 山尾容疑者は誰の指示、あるいは依頼を受けて動いていたのか
  • 現地の詐欺グループとの具体的な関係や指揮系統
  • 「トー横」で被害者を紹介したとされる人物の特定
  • ほかに何人が同様の手口で海外へ送られていたのか

まとめ

当時19歳だった女性が「海外で稼げるよ」という誘い文句をきっかけに、知人を介して山尾輝斗容疑者と接触し、マレーシア経由でカンボジアの特殊詐欺拠点へ送られたとされる今回の事件。女性はカンボジアとマレーシアの計4カ所の拠点で「かけ子」をさせられ、約9カ月後にマレーシアの拠点から逃げ出して現地の日本大使館に保護されました。

背景には、居場所を求める若者が集まる「トー横」や大久保公園周辺を接点に、海外の特殊詐欺組織へ人材が送り込まれているとみられる構図があります。山尾容疑者は今回で5回目の逮捕となり、警視庁は詐取金が暴力団の資金源になっている可能性もあるとみて実態解明を進めています。今後の捜査で全容がどこまで明らかになるか注目されます。なお、山尾容疑者の認否について警視庁は明らかにしていません。

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