2024年10月、北海道江別市で大学生・長谷知哉さんが集団暴行を受け死亡した事件は、全国に大きな衝撃を与えました。
2026年7月27日には、事件当時17歳だった少年に対し、検察が有期刑の上限にあたる懲役30年を求刑。裁判では少年がどれだけ深く事件に関与していたのか、そしてその量刑が妥当なのかが争点となっています。
この記事では、事件の概要から裁判の最新状況、求刑30年となった理由までをわかりやすく整理します。
江別市・大学生集団暴行死亡事件とは?
事件の概要
- 発生日時:2024年10月25日から26日にかけて
- 発生場所:北海道江別市の公園(文京台南町公園)
- 被害者:長谷知哉さん(当時20歳・千歳市在住の大学生)
- 男女6人から集団で暴行を受け、外傷性ショックにより死亡
- 現金やクレジットカードなどを奪われたことから、傷害致死ではなく「強盗致死事件」として扱われている
長谷さんは公園の遊歩道で倒れているところを発見されました。全身に及ぶ暴行の痕があり、暴行時間は2時間を超えていたとされています。
事件当日の流れ
時系列で整理すると、次のような経緯だったと報じられています。
- 長谷さんと交際していた八木原亜麻被告が、長谷さんから別れを切り出されたことに立腹
- 八木原被告が友人の川村葉音被告に相談し、長谷さんを公園に呼び出す
- その場に居合わせた川口侑斗被告が、服に長谷さんの血が付いたことを理由に「弁償しろ」と迫りながら暴行を開始
- やがて「全部出せ」と金品を要求する流れになり、複数人が入れ替わりで暴行に加わる
- 現金やクレジットカードなどを奪う
- 長谷さんは外傷性ショックにより死亡
被害者は事件の3日前、SNSに精神的な苦しさをうかがわせる投稿を残しており、事件当日にも「生きて帰ってきます」と書き込んでいたことが裁判の中で明らかにされています。
逮捕・起訴された人物
起訴された6人とは
事件では男女6人が強盗致死などの罪で起訴されました。
- 川口侑斗被告(19、当時18歳):主犯格とされる元アルバイト従業員。「特定少年」として起訴時に実名が公表された
- 川村葉音被告(21):元大学生。長谷さんを公園に呼び出す発端を作ったとされる。一足先に判決が出ており、懲役30年(求刑は無期懲役)。本人・検察双方が控訴中
- 滝沢海裕被告(19、当時18歳):元高校生。「ライダーキック」と叫んで暴行に加わったとされる。求刑通り懲役20年の判決が確定
- 八木原亜麻被告(21):長谷さんの元交際相手。事件のきっかけを作った人物とされ、裁判の日程は未定
- 当時16歳の少年:判決が確定し、懲役9〜13年の不定期刑
- 当時17歳の少年:今回、懲役30年を求刑された人物。少年法により実名は公表されていない
問われている罪
- 強盗致死罪(法定刑は死刑または無期懲役という重い罪)
- 強盗罪
- 奪ったカードを使って買い物などをした詐欺に関する罪
- 直接手を下していない者も含め、共謀に加わった全員が同じ責任を問われる「共謀共同正犯」という考え方が適用されている
当時17歳少年の裁判で何があった?
起訴内容を認める
6月13日に開かれた初公判で、少年は起訴内容を認めました。事実関係そのものに争いはなく、裁判の唯一の争点は量刑に絞られています。
7月16日の被告人質問では、弁護人から暴行の回数を問われた少年が、合計でおよそ55回前後だったと答える場面もありました。
検察側が懲役30年を求刑した理由
紹介ポイント
- 金品を要求してからの暴行は長時間かつ執拗なものだったと指摘
- 他の共犯者より主体的に暴行へ加わっていたことが明らかとした
- 極めて悪質な犯行であると強調
- 強盗目的があったことも認定
- 有期刑では最も重い懲役30年を求刑
検察は、少年について主犯格とされる川口被告に次ぐ激しい暴行を加えたことや、みずから進んで暴行に関与した点を重視し、有期刑の上限である懲役30年が相当だと主張しました。
弁護側の主張
- 犯行時17歳という年齢
- 生育環境など考慮すべき事情があったこと
- 主犯格ではなく、周囲の関係性の中で行動していたこと
- 情状酌量を求める姿勢
- 弁護側は「最長でも懲役20年が妥当」と主張
なお弁護側は事実関係そのものについては争わない姿勢を示しており、あくまで量刑の重さをめぐる主張にとどまっています。
少年が法廷で語った謝罪
少年は法廷で、遺族に向けてはっきりとした声で謝罪の言葉を述べ、自分の軽率な行動によって遺族にとってかけがえのない命を奪ってしまったことへの深い謝罪を口にしたと報じられています。
一方で少年は、暴行に加わった理由について、周囲からの束縛や嘲笑によるストレスを発散する面があったこと、また主犯格の川口被告に認められたいという思いがあったことを説明しています。事件の責任の重さについても、自分の言動が事態を大きくした一因だったのではないかと振り返る場面がありました。
遺族の思い
法廷で語られた意見陳述
7月27日の裁判では、長谷さんの姉が少年に向けて直接思いをぶつけました。事件をきっかけに自分の人生そのものが一変してしまったこと、少年がどれだけ反省や謝罪の言葉を重ねても弟が帰ってくることはないという思いを語り、少年に対して最大限の刑を望む姿勢を示しています。
突然家族を失った遺族の苦しみは大きく、これまでの公判でも一貫して厳罰を求める意見が述べられてきました。
今後の裁判はどうなる?
判決はいつ?
- 判決予定日:2026年8月7日
- 主犯格とされる川口侑斗被告の裁判も並行して進んでおり、少年と同じ日に判決が言い渡される予定
- すでに判決が出ている川村葉音被告については、本人と検察の双方が控訴しており、今後は控訴審の行方にも注目が集まる
少年事件で懲役30年求刑は重いのか?
少年法との関係
- 事件当時18〜19歳だった被告は「特定少年」として起訴時に実名報道の対象となったが、17歳だった少年は少年法の保護の対象として匿名のまま扱われている
- 「特定少年」制度は、18歳・19歳という年齢に着目し、起訴後の実名報道を可能にする一方、17歳以下には適用されない
- 有期刑の上限は原則30年とされており、今回の求刑はその上限にあたる
- 強盗致死罪は法定刑が死刑または無期懲役と非常に重く、少年であっても大人と同じ罪名で裁かれることになる
同じ事件でも、年齢によって求刑や判決の重さが大きく異なる点は、少年法のあり方をめぐる議論としてインターネット上でも注目されています。
まとめ
- 江別市で大学生が集団暴行を受け死亡した事件は全国に衝撃を与えた
- 当時17歳の少年は犯行を認め、量刑が最大の争点となった
- 検察は主体的な犯行や悪質性を重視し、有期刑の上限となる懲役30年を求刑した
- 一方で弁護側は少年であったことや周囲の影響を理由に、最長でも懲役20年が妥当だとして情状酌量を求めている
- 判決は2026年8月7日に言い渡される予定で、主犯格とされる川口侑斗被告の判決とあわせてその内容に注目が集まっている





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