「警察官は公務員だから給料が高い」「24時間勤務で大変そう」というイメージを持つ人は多い。実際の勤務形態や給与体系はどうなっているのか気になる人も少なくないだろう。
本記事では、警察官の仕事内容、24時間勤務の実態、年収、給与の仕組み、メリット・デメリットまで詳しく解説する。
警察官の仕事内容とは?
地域警察(交番勤務)
交番や駐在所に勤務し、パトロールや道案内、110番通報への対応、遺失物の受理などを担う、最も市民に身近な警察業務である。
刑事
事件発生後の現場検証や聞き込みによる事件捜査を行い、被疑者の逮捕や取調べを担当する。
交通警察
交通事故の処理や交通違反の取り締まりを通じて、道路の安全を守る役割を担う。
警備・機動隊
災害発生時の派遣、大規模イベントの警備、要人警護など、治安の根幹に関わる業務を行う。
警察官の勤務形態は?24時間勤務のリアル
交番勤務は24時間勤務が基本
交番勤務の多くは朝から翌朝までの24時間拘束が基本で、仮眠時間は設けられているものの、110番通報があればすぐに出動しなければならない。
非番とは?
24時間勤務明けの休みは「非番」と呼ばれ、体を休めるための時間である点で、完全にオフである「休日」とは性質が異なる。
交代制勤務の仕組み
「当番」「非番」「休日」を繰り返すサイクルで勤務が組まれ、所属によって3交代制・4交代制など運用が異なる。
刑事や本部勤務は日勤が中心
捜査一課、生活安全課、警務課、総務課など本部や専門部署では、一般的な日勤スタイルで勤務するケースが多い。
警察官の年収は本当に高い?
平均年収
総務省「令和6年地方公務員給与実態調査」によると、警察職の平均給料月額は334,004円(平均年齢39.3歳)、これに地域手当や超過勤務手当などの諸手当(月額約14.2万円)を加えた平均給与月額は475,875円である。ここに期末・勤勉手当(給料月額のおよそ4.5ヶ月分、約150万円)を加算すると、平均年収はおよそ720万円前後と試算できる。民間企業の平均年収(国税庁調査で約480万円)と比べると高水準であり、地方公務員全体の平均(一般行政職で年収400万円台後半程度)と比較しても、警察官は公安職俸給表が適用されるため給与水準が高めに設定されている。
初任給
警察官の初任給は採用区分(学歴)によって異なる。総務省の同調査によれば、経験年数1年未満の警察官の平均給料月額は大学卒でおよそ23万円、高校卒でおよそ20万円である。自治体別の初任給基準額(大卒試験採用)の全国平均は都道府県で約20万円だが、地域手当が加算される都市部ではこれより高くなる。たとえば警視庁(東京都)ではⅠ類(大卒程度)で月額約26.9万円、Ⅲ類(高卒程度)で約23.2万円となっており、東京都特別区は地域手当が最大20%と全国で最も高い水準にある。
年代別年収の目安
| 年代 | 年収目安 |
|---|---|
| 20代 | 約350〜500万円 |
| 30代 | 約500〜700万円 |
| 40代 | 約700〜850万円 |
| 50代 | 約800〜950万円 |
※上記は経験年数・階級による給与カーブや民間統計をもとにした概算の目安であり、実際の年収は自治体・階級・手当の状況によって個人差が大きい。
警察官の給与の内訳
基本給
階級と号給によって決定される、給与の土台となる部分。
地域手当
勤務地の物価水準に応じて支給され、東京都特別区では基本給の約20%が加算されるなど、地域差が大きい。
超過勤務手当
時間外労働に対して支給される、いわゆる残業代。
深夜勤務手当
夜10時から翌朝5時までの勤務に対して割増で支給される手当。
特殊勤務手当
危険性や特殊性の高い業務に従事した際に支給される手当。
ボーナス(期末・勤勉手当)
6月と12月の年2回支給され、給料月額のおよそ4.5〜4.6ヶ月分が目安となる。
ポイント
- 総務省の調査では、警察職の諸手当が平均給与月額に占める割合は約29.8%(月額約14.2万円)にのぼり、これは一般行政職(約21%)や消防職(約25%)よりも高い水準である
- 諸手当のうち最も大きいのは超過勤務手当や深夜勤務手当を含む「超過労働的手当」(月額約7.4万円)で、24時間体制の勤務実態を反映している
- 配属先や階級によって収入は大きく変わる
警察官の年収が高い理由
地方公務員として安定している
景気に左右されにくく、毎年安定した昇給が見込める。
夜勤・深夜勤務手当がある
24時間体制の勤務を支える手当が、収入を底上げしている。
ボーナスが安定して支給される
民間企業のように業績によって左右されにくい。
昇任・昇給制度が整っている
階級と勤続年数に応じた昇給ルートが明確に定められている。
警察官の仕事は高収入だけでは語れない
24時間365日の対応
事件や事故はいつ発生するかわからず、休日でも呼び出されることがある。
命の危険と隣り合わせ
凶悪犯罪の現場や暴力的な相手への対応など、身の危険を伴う場面も少なくない。
精神的ストレスが大きい
事件・事故の現場対応や責任の重さから、精神的な負担が大きい仕事でもある。
家族との時間が不規則になりやすい
交代制勤務のため、家族や友人との予定を合わせにくいという声も多い。
警察官になるには?
警察官採用試験
都道府県ごとに実施される採用試験に合格する必要がある。
年齢制限
多くの自治体で「高校卒業程度」「大学卒業程度」で受験区分が分かれ、年齢上限はおおむね30代前半程度まで設定されている。
学歴による採用区分
大卒程度のⅠ類、高卒程度のⅢ類など、区分によって試験内容や初任給が異なる。
警察学校での教育
採用後は警察学校に入校し、法律知識や柔道・剣道などの実技、逮捕術を含む研修を受ける。
警察官に向いている人
- 正義感が強い
- 冷静な判断力がある
- 体力・精神力に自信がある
- コミュニケーション能力が高い
- チームワークを大切にできる
警察官の階級と年収の関係
巡査
巡査部長
警部補
警部
警視以上
ポイント
- 階級が上がるほど基本給や管理職手当が増加する
- 昇任試験が収入アップの大きなポイントになる
消防士との違いを比較
| 比較項目 | 警察官 | 消防士 |
|---|---|---|
| 勤務形態 | 24時間勤務・交代制 | 24時間勤務・交代制 |
| 平均年収 | やや高め | 高め |
| 仕事内容 | 治安維持・捜査・交通 | 消火・救助・救急 |
| 危険性 | 事件対応 | 火災・災害対応 |
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よくある質問(FAQ)
Q. 警察官は毎日24時間勤務ですか? A. 交番勤務は24時間勤務が基本だが、刑事や本部勤務など日勤中心の部署も多く、部署によって異なる。
Q. 非番とは何ですか? A. 24時間勤務明けに与えられる休みのことで、完全に自由な「休日」とは区別される。
Q. 警察官のボーナスはいくらですか? A. 年2回、給料月額のおよそ4.5〜4.6ヶ月分が支給されるのが目安である。
Q. 女性警察官も24時間勤務をしますか? A. 配属部署によっては男性同様に交代制勤務を行うが、育児・介護など事情に応じて配慮される制度もある。
Q. 警察官は副業できますか? A. 公務員には原則として副業が禁止されており、警察官も例外ではない。
まとめ
警察官は24時間交代制勤務を採用する部署が多く、非番を挟みながら勤務する特殊な働き方をしている。年収は地方公務員の中でも比較的高水準だが、その背景には夜勤や危険業務、各種手当がある。階級や勤続年数によって収入は大きく変わり、安定した昇給・賞与制度も魅力の一つである。一方で、不規則な勤務や精神的・身体的負担も大きく、収入だけでなく仕事内容や責任の重さを理解したうえで目指すことが重要である。


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