2026年7月13日、大分県佐伯市で男女4人が相次いで刃物で刺される事件が発生しました。
銃刀法違反の疑いで逮捕された理学療法士・野下博司容疑者(44)は、その後の捜査で「職場の待遇に不満があった」という趣旨の供述をしていることが判明しています。
事件当日は、野下容疑者が自らの首に刃物を当てた状態で病院に入ってきたとの目撃証言もあり、供述が二転三転するなど、事件の全容はまだ明らかになっていません。
この記事では、事件の経緯を時系列で整理するとともに、現在までに判明している情報を分かりやすく解説します。
事件の概要
佐伯市で男女4人が相次いで刺される
7月13日午前9時45分ごろ、大分県佐伯市来島町にあるレンタル店「TSUTAYA佐伯店」の駐車場とその周辺の路上で、通行中の男女4人が刃物を持った男に相次いで刺されました。
被害に遭ったのは高校生を含む男女4人で、63歳と84歳の無職男性が胸などを刺されて重傷、女子高校生(16)と自営業男性(61)が首を切られて軽傷を負ったと報じられています。全員意識はあったとされ、命に別条はない模様です。突然の犯行に、被害者の一部は近くの店舗に逃げ込み助けを求めました。
容疑者は病院で銃刀法違反容疑により逮捕
事件からほどなく、現場からおよそ700メートル離れた「佐伯中央病院」で、刃渡りおよそ18センチの刃物を正当な理由なく所持していたとして、野下博司容疑者(44)が銃刀法違反の疑いで現行犯逮捕されました。
野下容疑者は佐伯市内に住む理学療法士で、逮捕の翌日にあたる7月14日、銃刀法違反の疑いで送検されています。当初、警察発表では住所・職業が「不詳」とされていましたが、その後の捜査で身元が特定されました。
事件の経緯を時系列で解説
① 自宅から包丁を持ち出す
野下容疑者が持っていた包丁は、自宅から持ち出したものとみられています。なぜ包丁を持ち出したのか、あらかじめ犯行を計画していたのかどうかは、現時点では明らかになっておらず、警察が慎重に調べを進めています。
② レンタル店付近で4人を襲撃
その後、野下容疑者はTSUTAYA佐伯店の駐車場とその周辺で、居合わせた男女4人を次々と刃物で刺したとみられています。捜査関係者によると、野下容疑者は被害者とは面識がなく、誰でもよかったという趣旨の話をしているとされ、無差別的な犯行だった可能性が指摘されています。
③ 約700メートル離れた病院へ移動
事件現場を離れた野下容疑者は、徒歩でおよそ700メートル離れた佐伯中央病院へ向かったとみられます。移動の経緯や、なぜその病院を目指したのかについては、今後の捜査で明らかにされる見通しです。
④ 病院に自ら首へ刃物を当てた状態で入る
病院にいた人によると、野下容疑者は刃物を自分の首に当てた状態で、落ち着いた様子で院内に入ってきたといいます。刃物を持っていたことに気づいた近くの職員が、容疑者を落ち着かせようと声をかけていたところに警察が到着しました。当時、院内にいた人からは「悲鳴が聞こえ、一斉に20〜30人ほどが診察室に避難してぎゅうぎゅう詰めになった」との証言もあり、院内は騒然とした状況になったとされています。また事件発生時には、現場付近で刃物を手首で小刻みに振りながら歩く男の姿が目撃されていたとの証言もあります。
⑤ 銃刀法違反容疑で現行犯逮捕
駆けつけた警察に気づいた野下容疑者は逃走を図りましたが、その場で取り押さえられ、正当な理由なく刃物を所持していたとして現行犯逮捕されました。逮捕時に所持していた包丁には血痕とみられる付着物があり、鑑定を進めることで4人が刺された事件との関連を裏付ける方針です。
「職場の待遇に不満」とはどういう供述なのか
新たに判明した供述内容
捜査関係者への取材によると、野下容疑者は4人が刺された事件との関連を調べる過程で「職場の待遇に不満があった」という趣旨の供述をしているとされています。ただし、具体的にどのような不満だったのか、勤務先や状況を含めた詳細はまだ明らかにされておらず、供述内容は限定的な段階にとどまっています。
また、野下容疑者を知る人物からは、母親が亡くなり疲れていたという趣旨の証言も出ており、事件の背景には複数の要因が絡んでいる可能性があります。
事件との関連は?
「職場の待遇への不満」という供述が、今回の事件の直接的な動機なのかどうかは、現時点で警察は断定していません。前述のとおり、被害者とは面識がなく「誰でもよかった」という趣旨の供述も出ていることから、無差別的な犯行だった可能性と、何らかの個人的な事情が引き金になった可能性の両面から捜査が進められているとみられます。
供述が二転三転している理由
一貫しない供述
野下容疑者の供述は、取り調べのたびに内容が変化しているとされています。動機に関する説明が一つに定まらないことから、警察は供述内容をそのまま事実と断定せず、客観的な証拠と照らし合わせながら裏付け捜査を慎重に進めている状況です。
防犯カメラなどから捜査
警察は、現場や周辺の防犯カメラ映像の解析、包丁に付着していた血痕の鑑定、凶器そのものの鑑定、さらには野下容疑者の事件当日の足取りの確認など、複数の角度から捜査を進めています。これらの客観的証拠を積み上げることで、供述の信ぴょう性を検証しつつ、事件の全体像を明らかにしようとしています。
殺人未遂容疑での立件はあるのか
現在は銃刀法違反で送検
現時点で野下容疑者が送検されているのは、銃刀法違反の容疑のみです。4人を刺したとされる行為そのものについては、まだ立件されていません。
今後は殺人未遂容疑でも捜査
警察は、防犯カメラ映像などの証拠をもとに、野下容疑者を4人に対する殺人未遂容疑で立件できるかどうかを視野に入れて捜査を進めています。被害者ごとの傷の状況や事件当時の位置関係などを一つずつ確認し、証拠を固めた上で立件の判断がなされるとみられます。供述が安定しないこともあり、捜査には一定の時間がかかる可能性があります。
現時点で判明しているポイント
- 野下博司容疑者(44、理学療法士)が銃刀法違反容疑で逮捕・送検された
- 凶器の包丁は自宅から持ち出したとみられる
- 男女4人が重軽傷を負い、うち63歳と84歳の男性2人が重傷
- 捜査関係者に対し「職場の待遇に不満があった」という趣旨の供述をしている
- 一方で「誰でもよかった」という趣旨の供述もあり、被害者との面識はない
- 佐伯中央病院では、自分の首に刃物を当てた状態で入ってきたとの目撃証言がある
- 押収された包丁には血痕とみられるものが付着していた
- 警察は殺人未遂容疑での立件も視野に捜査を継続している
- 供述内容が二転三転しており、警察は慎重に裏付け捜査を進めている
まとめ
大分県佐伯市で起きた男女4人刺傷事件は、現時点でも捜査が続いており、動機は断定されていません。「職場の待遇に不満があった」という供述は事件との関連で注目されていますが、その一方で「誰でもよかった」という趣旨の供述や、身近な人の死による疲労を示唆する証言もあり、背景は一つに絞り切れていない状況です。
警察は防犯カメラの映像や血痕・凶器の鑑定結果など、客観的な証拠を積み重ねながら、殺人未遂容疑での立件も視野に慎重な捜査を進めています。新たな事実が判明し次第、随時情報を更新していきます。




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