「ゆとりくん」の愛称で知られる株式会社yutori代表・片石貴展氏。20代で会社を創業し、設立から約5年で東証グロース市場への上場を果たしたことで「アパレル業界最年少上場社長」として注目を集めました。では、現在の年収や資産はどれほどなのでしょうか。本記事では、公開されているIR資料や株式保有状況をもとに、推定年収・資産・株式価値を考察します。
ゆとりくんとは?
本名・プロフィール
「ゆとりくん」とは、株式会社yutori代表取締役社長・片石貴展氏のSNS上での愛称です。複数のアパレルブランドを展開する同社の創業者であり、現在も経営の中心に立っています。
株式会社yutori創業までの経歴
片石氏は2017年12月、個人でInstagramアカウント「古着女子」を開設。人気の拡大を受け2018年4月に合同会社yutoriを設立し(同年6月に株式会社化)、その後アパレルD2Cブランドを展開しました。2020年7月にはZOZOが株式の51%を取得して子会社化(いわゆる「ハーフジョイン」)され、ZOZOグループ入りを発表しています。
「古着女子」から始まったSNS戦略
古着女子コミュニティを起点に、Instagramを中心としたファン形成からブランドを立ち上げる手法は、yutoriの成長戦略の核となりました。Instagramの累計フォロワー数は2026年1月時点で294万人を超えています。
アパレル最年少上場社長として話題に
2023年12月に東京証券取引所グロース市場へ上場し、アパレル企業史上最短・最年少上場(IPO)記録を更新しました。この実績がメディアやSNSで大きく取り上げられ、「ゆとりくん」の名が広く知られるきっかけとなりました。
ゆとりくんの年収はいくら?
上場企業社長の役員報酬は公開される?
有価証券報告書のルール 上場企業は有価証券報告書で役員報酬を開示する義務がありますが、これは「個別の金額が1億円以上」の役員に限られます。
1億円未満は個別開示されない仕組み 片石氏の役員報酬がこの基準を超えているかどうかは、公開資料からは確認できません。多くの新興上場企業の創業社長同様、現金報酬そのものは抑えめに設定し、株式価値で経営努力に報いる設計になっているケースが一般的です。
年収を構成する3つの収入源
- ①役員報酬:有報で個別開示されていないため非公表
- ②株式価値:保有株式の含み益(実現していない評価額)
- ③メディア出演・音楽活動など:IRセミナー登壇など、社長自身が広報を兼ねる場面も多い
推定年収を考察
同規模上場企業社長との比較 時価総額100億円前後のグロース市場上場企業では、創業社長の現金報酬は数百万円〜2,000万円程度に留まるケースが多く、yutoriもこの水準に近いと推測されます。
配当の有無 yutoriの配当予想は0%とされており、配当による個人収入は現時点でほぼ見込めません。
実際に手元へ入る現金収入を分析 以上を踏まえると、片石氏の現金ベースの年収は「数百万〜2,000万円程度」と推測するのが妥当と考えられます。資産の大部分は後述する株式の含み益が占めていると見られます。
資産はどれくらいある?
最大の資産は「yutori株」
公開資料では片石氏は約27%の株式を保有する筆頭株主となっています。株価次第では保有株式の評価額は大きく変動します。
株式時価総額から推定資産を試算
2024年3月期末時点で、片石社長は42万5300株(持株比率27.16%)を所有し、加えて自身が代表を務める資産管理会社poolも14万8100株(同9.46%)を保有しており、合計で約36%を所有しています(この株数は2024年4月1日付の株式分割(1株→3株)前の数値で、分割後も比率自体は変わりません)。
直近(2026年5月14日時点)の発行済株式総数は468万9000株で、保有比率は片石氏27.17%、pool9.46%とほぼ同水準を維持しています。2026年6月19日時点の株価は2,030円で取引されており、この株価と直近の発行済株式総数・保有比率から評価額を試算すると、片石氏個人の保有株評価額はおよそ25.9億円、pool分を含めた合計ではおよそ34.9億円という計算になります。
- 保有株数:直近の発行済株式総数(468万9000株)×保有比率(片石氏27.17%・pool9.46%)から逆算
- 株価との掛け算:2026年6月19日終値2,030円換算で合計約34.9億円
- 「現金」と「評価額」の違い:株価が変動すれば評価額も上下し、売却しない限り現金化されない点に注意が必要
資産○○億円説は本当なのか?
ネット上では「資産数十億円」といった噂も見られますが、上記の試算(約35億円前後)はこの水準とおおむね整合します。ただし52週の株価は1,863円〜6,260円台と大きく変動しており、株価が高値圏にあった2025年8月頃には評価額がさらに大きく膨らんでいた可能性があります。あくまで時価評価額であり、実際に自由に使える現金資産とは性質が異なる点を理解しておく必要があります。
株式保有額はいくら?
保有比率は約27%
創業者として現在も筆頭株主であり、経営権を維持する重要な持株比率となっています。
上場で株式価値はどう変わった?
- 上場前:2020年7月にZOZOが51%を取得し子会社化。2023年11月公表の上場申請用有報の時点でもZOZOは46.63%を保有する筆頭株主でした
- 上場直後:上場(2023年12月27日)に伴いZOZOが保有株式の一部を売却し、持株比率を引き下げ
- 現在:2024年3月期末の有価証券報告書ではZOZOの保有割合は19.16%まで低下して第2位の株主となり、片石氏(27.16%)が筆頭株主に交代。2026年5月時点でもこの構図(片石氏27.17%、ZOZO19.16%、pool9.46%)はほぼ維持されています
- 株価変動による資産推移:上場来安値731円(2024年1月18日)から、その後の最高値6,260円(2025年8月14日)まで大きく値動きしており、評価額も時期によって大きく変動してきたとみられます(いずれも株式分割調整後の価格)
ZOZOとの資本関係も解説
ZOZOは上場後に持ち株を売却し、筆頭株主の座を片石氏に譲っています。資本面での独立性が高まったことは、yutoriが「ZOZO発のブランド」から「独立した成長企業」へと評価を変える一因になったと考えられます。

なぜここまで資産を築けたのか
SNSマーケティングの先駆者 Instagramを活用したブランドづくりにより、広告費を抑えながらファンを獲得する手法を確立しました。
D2Cブランド戦略 店舗より先にファンを作る手法を徹底し、出店リスクを抑えながらブランドを育てています。
M&Aを積極活用 2022年4月に「フラグスタフ」を取得、同年8月には「ヤンガーソング」などを運営するA.Z.Rを完全子会社化するなど、人気ブランドを次々にグループ化してきました。2024年8月には「Her lip to」等を運営し、元AKB48の小嶋陽菜氏が率いる株式会社heart relationの株式51%を取得して子会社化(取得価額約16.8億円)。2026年4月30日付で残る49%も追加取得し、完全子会社化を完了しています(追加取得価額約19.6億円)。
Z世代への圧倒的な理解 「若者が欲しいもの」を経営者自身が体現する姿勢が、ブランド戦略全体に一貫性を持たせています。
今後さらに資産は増える?
- 売上拡大:2026年3月期第3四半期は売上高104.91億円(前年同期比89.5%増)、営業利益8.78億円(同78.6%増)と大幅な増収増益を達成しています
- ブランド数増加:M&Aによるグループ拡大が継続中
- 海外展開の可能性:今後の成長戦略として注目される領域
- 株価上昇余地:業績拡大が続けば株価評価が再び上昇する可能性
- 第二創業期への期待:複数ブランドを束ねる「ブランドポートフォリオ経営」への進化が期待されている
まとめ
- ゆとりくんの現金年収は役員報酬などが中心で、正確な金額は公表されていない
- 一方で、創業者として保有するyutori株が資産の大部分を占めており、株価次第で評価額は大きく変動する
- 保有比率は約27%(資産管理会社poolを含めると約36%)で、上場企業の創業者として大きな影響力を維持している
- 今後の業績や株価次第では、資産規模がさらに拡大する可能性もある






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