2026年2月末、突然すぎた幕切れ。そして約2ヶ月後、まさかの復活宣言。 遊楽舎・店長の動向が、今もネット上で静かに注目され続けている。
そもそも遊楽舎とは?ヒカル動画で”伝説”になったカードショップ
兵庫県姫路市に構えるゲーム・トレーディングカードショップ「遊楽舎」。 地方の中規模カードショップがなぜ全国区になったのかといえば、答えは明快。ヒカルとの縁だ。
YouTuber・ヒカルが活動初期から地元のカードショップとして遊楽舎に通い、その掛け合いを動画に収め始めたことで、店長の存在は一気に可視化された。毒舌のようで、でも不思議と人情味がある。商品知識は深く、業界の裏側も語れる。その絶妙なキャラクターが「コンテンツ」として機能し、チャンネル登録者数は約48万人(遊楽舎ちゃんねる)にまで成長した。
「こういう店、もう無いよな」——そう感じた視聴者は多かったはずだ。 値引き交渉ができた時代の問屋、店員と常連が顔見知りで世間話をしていたゲームショップ。デジタル化・合理化が進む小売の世界で、遊楽舎にはどこか”昭和のゲーム屋”の空気が残っていた。
その遊楽舎が、2024年には大阪・ドンキ住之江公園店もオープンさせ、ヒカルとの縁で秋葉原にも出店した実績を持つまでに至った。名実ともに「ヒカル界隈の聖地」となった店が、なぜ突然閉じることになったのか。

閉店の真相——「誹謗中傷だけ」ではなかった構造的な問題
トリガーとなった”あの動画”
2026年2月10日、カードショップ経営者でもある実業家・トモハッピー(齋藤友晴)氏が、同業者のYouTubeチャンネルに出演。飲酒しながら遊楽舎と店長への辛辣な批判を続けた動画が拡散され、SNS上に非難が殺到した。

店長は2月14日、Xで閉店を電撃発表。
「すさまじい誹謗中傷が私のもとに届き続け、トレカというある程度信頼が必要な商材を扱うには、厳しい状態に追い込まれたと判断し、閉店を決めました」
トレカという業種の特性上、「信頼」は商売の根幹だ。買取・売買・予約商品を扱う以上、顧客との信頼関係が崩れた瞬間に、店舗運営は成立しない。それを理解したからこその、ある意味「合理的な撤退判断」でもあった。
しかし、それだけが理由だったのか
業界関係者の分析によれば、遊楽舎の閉店は誹謗中傷だけでは語りきれない、TCG業界全体の構造変化が背景にあるという。
コロナ禍には「外出できないお金」がカード市場に流れ込み、地方のカードショップも恩恵を受けた。しかし2024年以降、大型イベントの復活とともに需要がそちらに分散。加えて、TCGの流通体制が約20年ぶりに変化し、個人店への仕入れ量が激減。チェーン店でもなく、ワンオペでもない「中規模の地方エンタメ複合店」が最も割を食う構造が生まれていた。
遊楽舎はまさにそのポジションにいた。
さらに「有名店になりすぎた」ことのリスクも大きかった。店長個人の知名度と店の評判が直結している分、SNSで何かが起きたとき、その影響は個人店の比ではなく大きくなる。ヒカル動画で名を売ったことが、最終的には「店長個人への攻撃」が即「店の信用崩壊」につながる構造を生んでいた。
閉店後の店長——今、何をしているのか
ここからが本題だ。閉店後の店長の動きを、公開情報から追ってみる。
最終営業日、ヒカルが店に来た
2026年2月28日、遊楽舎姫路花田店の最終営業日。店長はXで「ヒカル君が来店してくれました。花を持って、似合わないことするなぁ‥ありがとうね。頑張ってみます」と投稿した。
「頑張ってみます」——この一言に、ファンは多くのものを読み取った。引退宣言ではなく、再起を示唆する言葉として。
約2ヶ月後、電撃的な”復活宣言”
そして2026年4月22日。店長は自身のXで重大発表を行う。
「この度、遊楽舎はリニューアルオープンする運びとなりました」
閉店からわずか約2ヶ月。出資者の協力を得てのリニューアルを宣言し、オープン時期は「2026年6月以降」とした(資材確保の状況によりずれ込む可能性も明示)。
ドンキ住之江公園店は契約上の理由から営業を継続していたが、姫路の地に再び「遊楽舎」が戻ってくることになったのだ。
YouTube・配信活動はどうなるのか
もともと遊楽舎ちゃんねるは店舗よりも「店長コンテンツ」として機能していた側面が強い。TCG業界の裏話、買取の現場、店長の歯に衣着せぬ語り口——これらは店舗が閉まっていても需要がなくなるものではない。
「業界の語れる人材」として、YouTubeや配信を続ける可能性は十分にある。むしろ「店を持たない期間」に、コンテンツとしての純度が上がったとも言えるかもしれない。
なぜ遊楽舎はここまで愛されたのか——”懐かしさ”の正体
遊楽舎の閉店が多くの人に惜しまれたのは、単に「ヒカルの動画に出てた店がなくなった」という話ではないと思う。
デジタル決済、無人レジ、AI接客——小売の現場が急速に効率化される中で、店長の「クセが強いけど詳しいオヤジ店員」というスタイルは、そこに懐かしさと人間臭さを求める層に刺さり続けた。AIが最適解を提示するより、「いや俺的にはこっちの方が面白いぞ」と言い切れる人間の方が、コンテンツとしては強い時代に突入している。
子どもの放課後の居場所、常連が集う溜まり場、昔ながらのゲーム屋文化。遊楽舎が体現していたものは、もはやそこにしかない「空気」だった。だからこそ、全国のファンが「また行きたい」「また見たい」と思い続けるのだ。
今後の店長、3つのシナリオ
シナリオ① リニューアルで完全復活(最有力)
4月の発表通り、2026年6月以降にリニューアルオープンが実現するシナリオ。出資者の存在も明らかになっており、以前より資金的な基盤が整った形での再スタートとなる可能性が高い。固定費を抑えたコンパクトな店舗構成になるか、あるいはファンコミュニティ型の運営モデルへシフトするかが注目点だ。
シナリオ② 配信・解説者路線との二本柱
店舗運営とYouTube・配信活動を並行させる形。「店舗コンテンツ」ではなく「店長コンテンツ」として改めてブランドを確立させる可能性もある。業界の裏話を語れる人材は希少であり、その需要は閉店後も消えていない。
シナリオ③ 段階的なフェードアウト
48歳という年齢、精神的なダメージ、「有名税」による疲弊——これらが重なれば、表舞台から距離を置くことも選択肢になりうる。ただし、閉店直後から「頑張ってみます」「リニューアルオープン」と前向きな発信を続けている現状を見る限り、このシナリオの可能性は低いと見ている。
まとめ——「遊楽舎が消えた」のではなく、”時代が変わった”だけかもしれない
遊楽舎の閉店は、1店舗の閉店以上の意味を持っていた。 それは「YouTubeとリアル店舗の共存モデル」が試され、SNS炎上によって崩れた事例でもあり、地方のエンタメ複合店が置かれた構造的な苦境の象徴でもあった。
しかし、店長は「終わっていない」。
出資者の協力を得てのリニューアル宣言は、単なる個人の意地ではなく、それだけの需要とブランド力が店長自身に残っていることの証左だ。むしろ今は「店に依存した店長ブランド」から「店長自身がブランド」へと移行した状態とも言える。
今後、遊楽舎がどんな形で戻ってくるのか。 それとも「新しい遊楽舎」として別の姿を見せてくれるのか。
「遊楽舎が消えた」のではなく、あの頃の空気を求める人が今も消えていないのかもしれない——だからこそ、この話はまだ終わっていない。




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