元EE JUMPメンバー・後藤祐樹の再生ストーリー
はじめに
元モーニング娘。後藤真希の弟として注目を集め、一躍スターダムに駆け上がった後藤祐樹。しかし、彼の人生は順風満帆とは程遠いものでした。15歳でアイドルデビュー、16歳で芸能界引退、21歳で逮捕され刑務所へ。そして2023年には千葉県八街市議会議員に当選。まさにジェットコースターのような波乱万丈の人生を送った男の、壮絶な半生と再起のストーリーをお伝えします。
栄光と挫折 – 芸能界時代
「ゴマキの弟」としてのデビュー
後藤祐樹は1986年7月10日、東京都江戸川区に生まれ、1999年に13歳でスカウトされ芸能界入りを果たしました。2000年、14歳でダンスボーカルユニット「EE JUMP」のメンバーとしてデビューし、ソニンとともに活動。
姉の後藤真希が当時人気絶頂だった「モーニング娘。」のメンバーだったこともあり、「ゴマキの弟」として大きな注目を集めました。
2001年に発売した『おっととっと夏だぜ!』がオリコンで週間売り上げ5位となり、スマッシュヒットを記録。若者を中心に絶大な人気を誇りました。
スキャンダルと芸能界引退
しかし、輝かしいスターダムは長くは続きませんでした。未成年でありながらキャバクラに通っていたことが週刊誌『FRIDAY』にスクープされました。
素行の悪さなどが問題視され、2002年にわずか2年で芸能界を引退することとなりました。
転落 – 窃盗と逮捕
一般人となってからの犯罪歴
芸能界引退後、定時制高校に通うも半年で中退。方向性の見えない日々を送っていました。2005年には19歳で結婚し、3児をもうけましたが、2007年に離婚しています。
銅線窃盗事件と逮捕
2007年7月、当時21歳の後藤は主犯格として友人2人と共に建設工事現場へ侵入し、銅線を盗んで転売する窃盗を繰り返すようになりました。同年9月26日には東京都渋谷区の工事現場で、警備員を殴打した上で銅線を強奪。
10月20日に弁護士同伴で小松川警察署に出頭し窃盗容疑で逮捕され、その後12月4日に強盗傷害容疑で再逮捕されました。
後藤は約10件の金属泥棒への関与を認め、2008年5月21日に東京地方裁判所にて懲役5年6カ月の実刑判決を受け、控訴せず川越少年刑務所に収監されました。
獄中の壮絶な日々 – 刑務所でのいじめ
「ひっつき」と呼ばれるいじめ
川越少年刑務所に収監された後藤祐樹は、刑務所生活が壮絶だったと告白しています。刑務所には独自のルールがあり、入所順で上下関係が決まる世界でした。
刑務所では有名人は独居房に入れられることが多いですが、後藤は「1人でいるのがダメな人間」として雑居房への移動を希望。しかし、そこで待っていたのは過酷ないじめでした。
刑務所のリーダー的な存在から、2リットルもの水を一気飲みするよう命令されることもありました。リーダーに気に入られない者は、食事に虫を入れられることもあり、元アイドルということで目を付けられやすかった後藤は大変な思いをしました。
再生への道 – 出所後の歩み
刑期満了と社会復帰
後藤祐樹は2012年10月2日に川越少年刑務所から仮釈放され、2013年に刑期が満了。2013年4月29日には自叙伝「懺悔 ゴマキの弟と呼ばれて」を刊行し、同年6月19日にはトークライブを開催、EE JUMP脱退以来11年ぶりに一般観衆の前に姿を現しました。
再婚と新たな生活
2015年に現在の妻である千鶴さんと入籍し、千葉県八街市に引越し、再婚した妻と愛犬のピットブル5匹と暮らし、妻の父が経営する空調設備会社で工事の仕事を週6日職人として働いていました。
新たな挑戦 – YouTube・ブレイキングダウン・政治家へ
YouTubeチャンネルの開設
2021年7月7日、後藤はYoutubeチャンネル「後藤祐樹『おっととっとちゃんねる。』【公式】」を開設。ペットと過ごす様子やルーティン動画、妻との掛け合いなどを公開し、YouTubeはフォロワー10万人、TikTokでは50万人がフォローする人気チャンネルとなりました。
ブレイキングダウン出場で人生が変わる
2021年にABEMA「朝倉未来にストリートファイトで勝ったら1000万円」企画に参加したことをきっかけに、格闘技にも活動の場を広げました。後藤自身も「ブレイキングダウンに出場したことで若い子たちも知ってくれるようになった。活動していく中で温かいコメントが増えてきて、自分の中ですごく励みになった」と振り返っており、「僕ほど変えてもらった人はいないんじゃないかなって思う」と語っています。
芸能界復帰
2022年1月26日、後藤祐樹は自身のインスタグラムを更新し、20年ぶりに芸能活動を再開することを報告。芸能事務所エクセリングに所属し、本名である後藤祐樹名義で活動を開始しました。
千葉県八街市議会議員に当選
2023年8月20日に告示された千葉県八街市議会議員選挙に無所属で立候補。27日の投開票で、「後藤ゆうきしかできない変革」「ガラス張りの市政」をスローガンに掲げ、定数20人の選挙で1,415票を獲得し、公明党の新人と並ぶ同率2位で当選を果たしました。
後藤は2019年に八街市に移住し、生活を送る中で問題点が改善されないことに疑問を感じ、政界への挑戦に至りました。「八街市にずっと住んでいる方たちから『生まれた時から何も変わってない』という現状を僕に訴えてくる方が多い。若い世代、子育て世代が暮らしやすい街に変えていきたい」と政治家としての決意を語っています。
再起と希望のメッセージ
後藤祐樹の人生は、まさに「失敗からの再起」を体現したものといえます。15歳でアイドルとしてデビューし、華やかな世界を経験しながらも、わずか2年で挫折。そして犯罪を犯し、5年半の獄中生活で壮絶ないじめを経験しました。
しかし、彼は諦めませんでした。出所後、妻と出会い、YouTubeで日常を発信し、ブレイキングダウンで格闘技に挑戦。そして2022年に芸能界に復帰し、2023年には市議会議員として新たな一歩を踏み出しました。
当選後、後藤は「今回の選挙は皆様のおかげで当選しました。本当に本当にありがとうございます」「過去に色々ありましたが、これからが大変ですが、八街市の為に全力で頑張ります」とSNSで感謝の言葉を述べています。
犯罪歴のある後藤が政治家になったことについて、ネット上では賛否両論がありますが、「初当選は期待値だから、頑張って仕事してくれたらいい」「これからの日本を良くして行けるよう頑張ってください」「結果を出していけばいいんじゃね」といった期待の声も多く寄せられています。
後藤祐樹の人生は、何度失敗しても立ち上がり、前に進み続けることの大切さを私たちに教えてくれます。彼の今後の活躍に注目が集まっています。


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