パチンコ店の閉店が止まらない実態をシラベテミタ！

なぜパチンコ店は次々と閉店するのか?

かつて全国に1万8千店舗を超えていたパチンコホールは、2024年現在では7千店舗台まで激減している。マルハンやダイナム、ガイアといった業界大手でさえ店舗閉鎖を余儀なくされ、中小企業の倒産は日常茶飯事となりました。

30兆円規模を誇った巨大市場は、今や14兆円台まで縮小。この劇的な変化の背景には、何があったのでしょうか。

2018年の「遊技機規則改正」は、パチンコ業界に致命的なダメージを与えました。この規制により、1回の大当たりで獲得できる出玉が大幅に制限され、短時間で大量出玉を得る「一撃性」が完全に消滅したのです。

ある常連客は語ります。「以前は台の癖を読んで、開店直後の台選びで勝負が決まった。今は何時間打っても2〜3万円の負けが当たり前。完全に運任せのゲームになってしまった」

規制の目的は射幸心の抑制でしたが、結果として「ギャンブルとしての魅力」と「エンターテイメントとしての面白さ」の両方が失われました。

平均的な遊技では、1時間で2〜3万円の投資が必要なケースが増加しました。これは規制による回転率低下と、店側の利益確保のための釘調整が原因です。

若年層の可処分所得が減少する中、「負けても楽しめる」という感覚を持てる金額を大きく超えてしまったのです。スマートフォンゲームなら月数千円で十分に楽しめる時代に、数時間で数万円が消える娯楽は選ばれません。

Netflix、YouTube、ソーシャルゲーム、eスポーツ——現代人の余暇は無数の選択肢で溢れています。わざわざ騒音と煙草の臭いが残るパチンコ店に足を運ぶ理由は、若い世代にはありません。

さらに「ギャンブル依存症」への社会的関心の高まりも、業界のイメージを悪化させました。カジノ誘致の議論と並行して、既存のギャンブル産業への批判的な視線が強まり、新規顧客の獲得がますます困難になっています。

2020年からのコロナ禍は、客足の減少に追い打ちをかけました。緊急事態宣言による休業、営業時間短縮、感染リスクへの不安。

これらが重なり、多くの常連客が「パチンコから離れる」きっかけとなりました。

そして一度離れた客は、戻ってきませんでした。パチンコのない生活に慣れ、別の趣味を見つけ、貯蓄が増えたことを実感した元ユーザーたちは、もう店に戻る理由を失っていたのです。

業界最大手のマルハンでさえ、2015年の2兆円超の売上から2023年には1兆5千億円台まで減少しています。ダイナムは不採算店舗の閉鎖を加速し、ガイアも事業再編を迫られました。

中小企業の状況はさらに深刻です。2022年だけで約300店舗が閉店し、地方の老舗ホールの倒産が相次いでいます。銀行からの融資も厳しくなり、設備投資ができず、新台導入も滞る悪循環に陥っています。

パチンコ業界の衰退は、規制強化、射幸心の排除、経済環境の変化、娯楽の多様化という複合的要因によるものです。

「勝てない、遊べない、つまらない」——この三重苦が、かつて30兆円を動かした巨大産業を、静かに、消滅へと導いています。

昔のように朝から晩まで台に向かい、大当たりの連鎖に興奮し、仲間と勝ち負けを語り合った時代は、もう戻ってきません。

残された道は、業界の抜本的な変革か、それとも緩やかな消滅か——その答えは、そう遠くない未来に明らかになるでしょう。